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ここ福地温泉。平家の落武者伝説が残る、歴史ある山間の湯煙りの里。彼方に穂高の山々を望み、抜群の環境に立つのが今宵の宿「湯元長座」である。駐車場までスタッフの出迎えを受け、趣きある門をくぐれば水打ちされた石畳のアプローチ。それと並行して屋根付きの通路が玄関先まで延びているのだ。緑の木々など周りの景観と白壁に格子戸を施した重厚な建屋とが絶妙に融合しており、何とも心憎い演出は素朴な風情を存分に醸し出していた。
その母屋玄関は広々とした土間。目に飛び込んでくるのは、黒光りする通し柱に太い梁。吹き抜けの高天井など和の空間が広がり、その存在感に圧倒されるのである。磨き込まれた板間には囲炉裏。熊の皮を敷物にしており太い自在鉤が下がっているのだ。そのさまは、どこか懐かしい気分にさせてくれ古き良き日本の姿を表していた。ラウンジにはセンスの良いソファーや調度品などシックなインテリアを施しモダンかつノスタルジックな雰囲気を漂わせている。また館内、廊下には所々に飾り物、片隅には生け花など小さな季節感をも漂わせいた。
良い色合いの土壁と黒光りする磨き込まれた木の廊下の隅々には置き行灯。純朴な味わいを感じながら進めば離れ「桐の家」。2階建てに5室あり、通された客室は2階「錦木」の間。間取りは主室12畳+囲炉裏を切ってある6畳の副室+ソファーのある4畳程の広縁。清楚で和の気品漂う室内は、至る所に趣向を凝らした造りで見事。冷蔵庫は奥収納式、余計な飾り置物は排除、天井は高く圧迫感はない。一見シンプルに映る室内だが、実際はすっきりと品格高いのである。
温泉は自家源泉を数本と2つの異なる泉質を持つ。木組みを配した豪壮な大浴場は単純泉。源泉掛け流しの豊富な湯が並々と注がれており湯加減も私に合う。外には至って優美な岩露天を併設しており、特に夜などちょうちんの薄暗い灯りのみでの入浴は幻想的な雰囲気。チェックイン時に部屋カギと一緒に渡されるカードキー(違和感などなし)を使い3つある貸切家族風呂も良い。全て檜の内湯に岩露天を配しており、一度に大人5、6人は入れるような広さ。当日は満館にもかかわらず待つことなく全てに入浴できラッキーであった。そしてもう1つ館外にあるかわらの湯が私は一番気に入った。ここは違う泉質で檜の半露天風な造り。浴槽からの景観も良く時折吹く心地良い風がまた気持ちいいのだ。館内湯共々、奥飛騨の自然を肌で感じ取ることができ温泉情緒を満喫した。
食事は朝夕とも囲炉裏のある個室料亭で戴いた。地の素材をふんだんに使った料理は私にはボリューム満点。飛騨牛をはじめ、五平餅など山里風の内容は、見た目シンプルなのだが一品一品滋味豊かでなかなかのもの。味付けも私に程よく(味噌がマジうまい)地の美味を味わい地の杯を重ねるといきたいところだが、残念私はビール党である。ピッチも進み炉ばたに憩い、大地の味、清流の味を朝に夕にと堪能した。
大自然に抱かれた湯の里福地。当夜は温泉祭りの最終日ということで開催されてる「昔話の里」へ出向き福地の夜を満喫、良い思い出になった。前々日の予約でたまたま?予約が取れラッキー。(他の宿が数軒満室で断られていた)人気宿だがそう期待せず伺ったのだが、実際宿泊してみて正直良かった。木の温もりと和の粋をいかんなく感じさせてくれる飛騨造りの佇まいは素晴らしく人情味もある。飛騨の恵みと心に
ふれる民芸調の館「湯元長座」へは機会があれば是非再訪してみたいと思う。翌朝宿を後にし下呂へと向かった。(07,8月下旬宿泊)
*評価 = 鮎が天然やなく養殖だったので減点1。7人が参考にしています