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前回のクチコミでは詳しく触れなかった個々のお風呂に関して写真を補足しながらクチコミしていきたいと思います。
<天狗の湯・打たせ湯・ぬる湯>
天狗の伝説が数多く残り、修験者信仰の関わりも持つ北温泉。そんな北温泉ならではの湯が、この「天狗の湯」です。北温泉の名物にもなっており、独特の雰囲気を醸しだしています。写真左上の浴場棟は横に連なって建てられ、左から天狗の湯、打たせ湯、ぬる湯と続きます。打たせ湯とぬる湯は天狗の湯に併設した形となっています。全て混浴。ちなみに湯棟裏の斜面で湯気が昇り、レンガ色に変色している部分は源泉が溢れているところで、野趣あふれるとしか言いようがありません。しかもその源泉量も半端ではありませんでした。
まず、天狗の湯ですが(写真左下)、脱衣所が湯船のすぐ脇にあり、しかも湯船は本館廊下にも面していて、オープンスタイル。誰か人が入っていたり、通行人がいたりする場合、女性の着替えや入浴は、かなりきついです。そしてすぐに目に付くのはやはり大きな天狗の面です。それこそ面を食らう人も少なくないはず。脱衣所周辺の壁には絵馬もたくさん掛けられ、願い事ごとが書かれていたが、その多くは子宝祈願の模様。そうしたこともあってか、なんとなく行場のような厳かな雰囲気も感じられました。
湯船は5~6人位入れそうな大きさ。コンクリ造りですが、温泉成分で赤茶や黒く色づいた湯船は、味わい深く、鄙び具合も上場です。真ん中の源泉投入口からは、山の斜面から木管を通って直滑降で落ちてくる源泉がドカドカと惜しげもなく流し込まれ、文字通り源泉掛け流しです。源泉だけでは高温のため、湯船奥の細い塩ビ管から真水を加水していました。源泉付近はやや高温ですが、加水付近では適温やや温めと言った感じ。源泉を飲んでみると、なんとなく甘じょっぱい感じですが、ほぼ無味。浴感はサラサラと気持ちよく、柔らか。源泉の投入量が多いのも◎。湯船の中で温泉が絶え間なく対流して素肌を通り抜けていくのがとても心地よい感触。黒、赤茶色の湯の華も微量ながら確認。もちろん湯の鮮度も抜群。いつか宿泊を果たした際には、是非夜中に入浴してみたい湯です。ほのかな明かりのもと、天狗に囲まれながら、悠久の時を刻んできた源泉に浸かる醍醐味を味わってみたいものです。
次に隣の打たせ湯(写真右上)。太さの違う3本のパイプからそれぞれ源泉が出るようになっていおり、上からフローされています。心地よいことは心地よいのですが、見た目以上に刺激があり、調子に乗っていると揉みかえしが来そうな予感がしたので、早めに切り上げました。
次に移動したのがこれまたすぐ隣のぬる湯(写真右下)。こちらは扉の内側に鍵が付いているので、混浴が苦手な人や家族風呂として使いたい人にピッタリ。ちょっとした棚も付いているので、内部で着替えをすることもできます。湯船はコンクリ造りで寝湯も付いており、ゆっくりと長湯を楽しむのに良さそう。ぬる湯と言うだけあり、湯温は体感40度。かなり小ぶりなので、2人サイズといったところです。
その二に続きます。0人が参考にしています