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鳴子温泉郷に来ると、いつも何処の風呂に入ろうかと迷う。だが今回は、始めから「スガワラブルー」と決めていた。
宿に入ると、「摩天の湯と貸切風呂がご利用できますが、露天風呂は清掃中です。」とのことであった。案内されて摩天の湯に向かう。先客は1名。浴室に入ると湯船はブルーを呈していた、と思ったら湯船の底のタイルの色であった。
ナトリウムー硫酸塩・塩化物泉。とろりとしたお湯である。湯温は41度弱というところか。角質の多い指などはヌルヌルする。湯船は大きくて、20人以上入れそうである。しかし浴室内は、すきま風が入り寒い。天井から滴が落ちてくる。
私が体を洗っていると、先客が露天の方に出て行って帰って来ない。露天風呂のお湯張りが終わったということか。しばらくして先客が戻ってきたため、私が露天風呂に向かった。露天風呂は3、4人サイズで、正真正銘無色透明である。湯温は39度位か。内湯は、完全なブルーとは言えないものの、シリカコロイドの拡散現象と思われるブルーがかった微白濁を呈していた。
ここから先は推測である。ここのお湯は、最初は無色透明だが、時間の経過とともにブルーを呈するのではないかと思われた。露天や貸切風呂は小さいため、毎日お湯を張り替えるのでブルーを呈することは無いが、摩天の湯は大きいため、お湯を張り替えるスパンが長く、張り替える直前には見事なブルーを呈するのではないのか。言い換えれば、お湯が鮮度を失った時ブルーを呈するのではないのか・・・。
ここのお湯の匂いは独特である。「潮が焦げる」と言うのでは足りない。一番しっくりくる表現は、「岩ガキを焼いて、潮が噴きこぼれ焦げた時の匂い」ではないかと思う。
想像していただけたろうか。
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