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九州上陸2日目のイーダちゃんは、3月29日、別府駅から8:00ちょうどの電車に乗りこんで、豊後竹田駅を目指しました。そこからバスに乗ってさらに50分・・・鄙びた山道と菜の花の群落のなかをどこまでもいくと、ようやく目的地の長湯温泉が見えてまいりました。
バスを降車。10:40。いい天気。うぐいすがよく透る綺麗な声で鳴いてます。
電柱の上のほうだけにちらっとある「ようこさ長湯温泉へ」という文字がイカシてます。細い田舎道を行く女子高生とふと目があったら、
「こんにちわ」
「あ。こんちわ」
いきなり挨拶されてややびっくり。
そーかー、ここでは観光客にこんな風に挨拶するのが習慣なんだ、いいなあ、なんてほのぼの勝手な余韻に浸っていると、またまたうぐいすがぴーひょろろ。
噂の「ラムネ温泉」は、驚くくらいお洒落でシックな風情の建物でありました。建物周りには蕎麦がいっぱい植えてあります。平日の午前だもんで、お客も案外少なそう、これはラッキーです。
お湯は、それは、良かったです。
着替え所から腰をかがめて入る、暖か湯の浴槽三つ。それから、メインの31℃のぬる湯、日本一の炭酸泉・・・。こちらの露天、屋根と壁がびっしりビニールで覆われておりました。前客は5人。いうまでもなく、凡ての人が「俺は温泉のことがよく分かっているんだ」と顔に書いてある、温泉の職人たちばかり。下手なことはできません。「失礼します」と小さくいって入り湯すると、みんな、かろうじて「うむ」とむっつりしたリアクションを返してきます。そのぶっちょうづら感が、なんか自然で良し。
ラムネ温泉はふしぎでした。
「うわ、冷え」と最初は思うのに、じっと我慢して入っていると、そのうち、だんだん身体の芯があったまってくる・・・。ふしぎ。これは未知の、新しい感触です。ぶくぶく炭酸の気泡が身体中を覆って、ややこそばゆい感触が、ちょっとなんともたまりません。山梨の韮崎旭温泉のお湯がいささかこちらのお湯に似ているかな、とも思いましたが、あちらは炭酸泉ではなく、そのためか肌に伝う心地よさげなこそこそ快楽の度合いは、こちらのほうが上でせうか。うーむ、日本一の称号は伊達じゃありません。
結局、出たり入ったりで1時間15分は長湯してたかしら。
良い湯浴みになりました。
サービスのハーブティーを飲み、汗を拭き拭き表に出ると、うぐいすがまたもや春空にぴーひょろろ。それが長湯温泉の風景に悔しいくらいに似合うこと似合うこと、なんかこっちもぴーひょろろと鳴いて返してやりたかったですねえ。0人が参考にしています