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私が「上の湯」を訪れるのは二度目だ。平成12年12月「丸屋」で日帰り入浴した際、その後で立ち寄った記憶がある。その時の印象は、子供たちもいてずいぶん混んでいるというものだった。
今回は土曜日の12時過ぎに訪ねたが、客は私一人だった。12畳ほどはあろうという湯舟に、一人だけというのも何か落ち着かない。ナトリウムー塩化物・炭酸水素塩泉、組合3号泉・4号泉の混合である。無色微白濁で、湯温は42度ほどだ。炭酸水素塩系のお湯だけにとろりとしている。強い金属臭がするが、鉄分だけではなく何種類もの金属が混じったような匂いである。飲むと弱い塩味と金属味が感じられる。
カランがないので、体を洗うのは次に回して、湯舟に出たり入ったりだけでのんびり過ごすことができた。
浴場も空いていたが、温泉街にも客はいなかった。肘折温泉はもともと湯治場だが、今も客の主力は近在の農家の人たちなのだろうか。であれば、今はこの辺の田植えの時期だから、客がいないのも納得のゆくことであった。
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