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数年前までは、地元の方々しか行かない静かな山の中の共同湯だったのですが、最近では遠くからもこられる方が増えたそうです。
美ヶ原の中腹にあり、通行の便のよい観光道路から脇の狭い旧道に入った辺鄙な立地にあり、扉温泉自体、この共同湯と温泉宿が2件しかないため、静かというよりも物悲しい雰囲気の温泉場です(川の音と、時折、鹿の鳴き声がきこえるくらいです)。
地元の方に聞くと、昔から効能を知られた人気の温泉場だそうで、
多くの方が、ポリ容器にお湯を汲んで持ち帰って、飲み水にしたり
ご飯を炊くのに利用しているそうで、ペットボトルやポリタンクを2,3本持ってきている人も多く見受けられます。
湯小屋は近年建て替えられた快適な施設で、清掃もきちんとされているようです。湯船は、近代共同風呂スタイルのタイル張りの味気
ない湯船と、見える景色は空と山しかない極楽露天風呂があり、どちらも源泉が掛け流されています。湯量が豊富であるため、シャワーとカランも源泉そのまま。単純泉なので、湯ざわりの良い湯浴みができます。
こちらの特色は、加工されていない天然のぬる湯の露天風呂が楽しめることです。美ヶ原の反対側にも快適な天然ぬる湯が楽しめる名湯が存在しているのですが、湯温が低いため、露天にしてしまうと
寒くなってしまうのです。ところが、ここのお湯は泉源で45度ほどなので、露天にしても40度弱くらいの快適なぬる湯が楽しめるのです。それも気温や天候の影響をかなり受けるのでかなり寒かったり、大してぬる湯でもないときもあり、タイミング次第でいろいろ楽しめます。
多くのお客さんは、長湯を楽しんでいるようで、ツワモノは雨用にビニール傘を持参していたり、虫除けにタオルを2、3枚かぶって
湯船のなかで寝ています。また、常連さんたちが観光客らしき人たちに、いろいろ観光アドバイスしていたりと、非常にコミュニケーションが生まれやすい温泉だなあと思います。
以上のような理由で私も大好きな温泉場なのですが、評価が3点にせざるを得ない理由があって、とても残念な共同湯です。
当然のごとく、男湯、女湯と別れているのですが、片方の湯船の排水溝から、下水の匂いがしていることが多いのです。清掃自体はよく行われているようなので、排水溝の構造欠陥が原因と思われるのですが日によっては、内風呂がいやな匂いで満ちていることもあったので、減点せざるを得ません。
もう一方の浴室では一切匂いがなく、最高の湯浴みができるだけに、残念で仕方がありません。
本来なら、MY長野のぬる湯ベスト10(ぬる湯露天部門ベスト3)の上位に入るべき温泉なだけに残念で仕方ありません。41人が参考にしています