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国道18号を牧家の交差点で北に折れ、そのまま道なりにすすみ、坂を登っていきます。この道沿いにはかつて鹿澤温泉に通う人たちに向けて、「百体観音」が置かれています。それを見ながら、登っていくと30番の観音のあるところが奈良原温泉になります。
建物は年代を感じさせる、落ち着いた雰囲気です。立ち寄りにもかかわらず、快く受け入れてくださいました。宿からは東御市が見渡せ、千曲川の流れの向こうに八ヶ岳山塊の蓼科山の秀麗な姿と見ることができます。作家、坂口安吾が投宿した宿でもあるそうです。
浴室はそれほど大きくはありません。男湯のほうにだけ、加熱していない源泉槽があります。源泉槽のほうは、ほぼ透明ですが、湯の華のためでしょうか、薄い黄土色に見えます。底にもたくさんの湯の花が沈んでいます。湯口付近の岩は、茶色く変色しています。舐めてみると、金気味とともに、炭酸の刺激を感じます。においはほとんど感じませんでした。加熱槽は、鮮やかなオレンジ色の湯の華が浮かんでいて、湯は少し緑褐色を帯びているように見えました。
鉄分のためか、たいへん温まる湯でした。鮎料理とくるみを使った料理が自慢らしいので、今度は泊まりで利用したいと思いました。2人が参考にしています