-
投稿日:2009年4月13日
薩摩でごわす④「神の湯」を訪ねて (紫尾区営温泉神の湯(紫尾区営大衆浴場))
イーダちゃんさん [入浴日: - / - ]
22.0点
-
0 - 点
-
0 - 点
-
0 - 点
-
0 - 点
09' 4月2日木曜日早朝---
前夜のうちにまとめていたリュックの荷物をうんしょと背中にしょって、イーダちゃんはまるまる3日間お世話になった栗野岳温泉 南洲館をあとにしました。
ああ、名残り惜しいったら。宿向こうの八幡地獄の煙も遠去かる。お。まだ施錠されてる正面玄関のガラス戸とカーテンの間にこすって入りこんで、しのびやかに送ってくれてるあの白いのは、ひょっとして宿の愛犬「レオ」じゃないか。うおー、やっぱレオだー、さらばださらばー(ToT)
料金はもちろん前夜のうちに前払いをしてありまして---なんと自炊部3日分の料金は6,300でありました。安ッ!---徒歩で降りる栗野岳7Kmの道のりは、この日は幸い非常に天候に恵まれて、青空のしたの茶畑(朝の霜取用の風車がぷるんぷるるんと回ってましたっけ)の緑のきらきら具合が実に実に美しかったです。
栗野駅からはJRで2時間あまり走り鹿児島中央駅へ、モクモク桜島の威容を電車の窓際に眺めて、今度は鹿児島中央から薩摩川内(さつませんだい、と読みます)まで乗り換えて約1時間。薩摩川内で下車したら今度はバスで田園風景を1時間半あまり走り、宮之城という町で下車。で、そこから1日に一本しかでていないという14時代のバスに乗り・・・すると、30分あまりでやーっと伝説の紫尾温泉に御到着です。
こちらの温泉のことは某温泉教授の著書で知りました。褒め方があまりにも破格なんで記憶に残り、遠隔地の幻の名湯としてずっと憧れていたんですよ。実際にこーしてきてみると、もー 感無量すぎ。だって、バスのお客は僕ひとりだけでしたし、おまけに紫尾温泉、あまりにも田園風景の美しい村でしたしね。
いや、ホンットに綺麗でした。ひといなくて、店舗もなくて、青空がとにかくくわーんと澄んでいて、さつま町ならではの風景っていうのかな? 菜の花と桜の花のあいだの窪みの沢で、夜星川のささやかな流れだけがさらさらと控え目に歌ってて・・・。
も、眼福とでもいうしかない、美しい美しい村なんデス。
泊まりの予約を入れてた「旅籠しび荘」さんの自炊部にひとまず荷物を預けると、イーダちゃんはすかさず旅館の正面にある神社作りの珍しい共同湯「紫尾区営温泉神の湯 」にいってみました。
お風呂への硝子戸をあけて、何気なく入口右手の掛け湯唾のお湯を柄杓で身体に掛けてみると・・・正直、超・震えました。
なんちゅー名湯だろう、とたまげた。
でも、周りの3,4人のお客さんに挨拶して三連の湯船に身体を沈めてみると・・・なぜか予想ほどよくないの。いやいや、むろんいいお湯なんですよ。フツーじゃないいいお湯。黒い湯の花が湯面にしこたま舞っていて、しかも、湯の色をよく見るとやや緑がかった不可思議色をしてるじゃあーりませんか。ぬめりけもかなりのもん。考えないでも指折りの名湯の要素を最初からいっぱい揃えてる。でも、僕、なぜかあんまり熱中できなかった。うん、まあいいお湯だけど、ここだったら別所の「大師湯」なんかのほうがむしろよかないか? ここの湯の有名なこのぬめりけだって、なんとなく下品なローションぽかったりするじゃないか、なんて・・・。
なんか釈然としないまま30分あまりの湯浴みを終え、着替処に帰ってみて、それら違和感の理由判明しました。
「 紫尾区営温泉神の湯」、塩素が投入されていたんです。
あと、掛け流しじゃない、貯湯槽からお湯がくるように改装されてもいたんです。
道理で、と、湯浴みのあと、なんだか豆腐を噛んだみたいに両頬のあたりが淋しくなりました。
「あ~あ。ここを楽しみにしてはるばるやってきたのになあ・・・」
がっかり気落ちのイーダちゃん・・・(T.T;>
予想もしてない展開です。おかげでこのあと「神の湯」が湧いている風呂上手の紫尾神社の見事な歴史建築を見物しても、美しい田園の一本道を紫尾小学校前の商店までおかずの遠征買出しにでかけても、どーにも気分が冴えなくなってきたのでありました。20人が参考にしています
-