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投稿日:2008年5月19日
良心的な公営の湯 (鶴の湯温泉(つるのゆおんせん))
湯けむり天使さん
[入浴日: - / 滞在時間: - ]
44.0点
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阪和道みなべICより龍神方面へ20分ほど走れば到着する。途中国道424号線はまだしも県道田辺印南線はそれなりに田舎道で、道幅も狭く多少不安にもなるが、標識もあり道に迷うほどでもなく、左右に梅林を眺めながら田舎道を走るのも悪くない。
温泉館の建物は小振りで品の良い造作、本来は町営の宿泊施設だが温泉は宿泊棟とは別であるため日帰り入浴も気軽にできる。
入口前に源泉が出る蛇口のある小屋があり、そこで非加熱の源泉を賞味することができる。飲んでみると、ピリピリとした炭酸味を感じる冷鉱泉で、若干の塩味と金気を感じる。糖分のない不味いサイダーといった味覚だが、それなりに存在感のある源泉だ。源泉は無色透明でほぼ無臭。大量でなければ無料で持ち帰り可能である。
温泉館の内部は小奇麗で、休息場所が設置されているのも好都合だ。ロビーでも畳敷きの休憩場所でもゆっくり休息することができる。
ロビーのすぐ横に内風呂の入口があるが、露天風呂とはつながっておらず、移動するには一旦衣服を着用しなければならないのがやや面倒。裸のままロビーを歩いて移動するなどすれば大顰蹙間違いなし。
私は露天風呂を利用した。浴槽は6~7人が入浴可能な規模の石張りのもので、大きな屋根が架かる。和風の庭園の趣向を凝らしてあるが、施設が新しいためかやや風情に欠けるのが残念。しかし、視界前方に山間の緑を目にしながらの入浴はなかなか快適である。
泉質は含二酸化炭素-ナトリウム・マグネシウム-炭酸水素塩泉。時間の経過により褐色濁りとなる湯で、源泉を加熱し、塩素消毒を施したうえでかけ流している。かけ流しとは言え、浴槽に注がれる湯は加熱・塩素消毒の湯であるため当然飲用は不可。飲泉はあくまで戸外の飲泉用の小屋で行わねばならない。
浴槽の湯は加熱により炭酸成分が飛んでしまっており、入浴しても微細な泡が身体に付着するようなことはない。欲を言えば水風呂の代わりに非加熱源泉を注いだ小さな浴槽が一つ欲しいところ。もっとも、露天風呂浴槽の湯は塩素臭をほとんど感知できない程度であるのが有難い。内風呂は密室であるためか、浴室に入ると消毒臭を露骨に感知するのが残念。
新しい公営の箱物温泉施設といえば、大概において建物は綺麗だが温泉は目も当てられない惨状というのが相場なのだけれど、この温泉施設は500円という入浴料金と併せて温泉の利用方法も比較的良心的で、好感を抱いた次第。1人が参考にしています