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実は父親の実家です。創業は昭和初期、地主だった兼松藤太郎の娘かねが父親に建ててもらった旅館です。藤美館の藤=藤太郎からです。いまは趣きの宿ですが、かつては繁栄し父親の幼少時代は相撲巡業で神風なども宿泊し戦時中は集団労働の宿舎にもなっていたと語っていました。食事は川魚が中心です。いま私が食い道楽になってしまったのは子供のころから厨房脇の三畳間で叔父・叔母の料理を食べていたからだと思います。鯉料理は最高で鯉の洗いから鯉こくまで絶品といえます。叔父の代で新館を増築しましたが、やはり黒輝りした廊下の旧館が最高です。TVドラマの撮影にも利用されたほど趣きがあります。いまは水洗トイレですが扉のすりガラスは「所便」と右から書かれています。近くを流れる土岐川は私の幼少時代、陶器工場からの排水のため真っ白な川でした。藤美館の真裏にある源泉も水コケで緑色でした。が、川の水も源泉もきれいに整備されて良い環境になっています。
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