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湯街の高台に佇むこの宿はコンクリートを打ち放した外壁がひときは目を引く。蔵屋敷を思わせる重厚なロビーに吹き抜けになった所からゆるやかに落ちる滝など幾多に近代的な造形の中、和と洋とをミックスしそれが見事に調和した斬新な創りは素晴らしい。通されたスタンダードタイプの12畳程の客室も清楚でシンプルな造りの数奇屋風で寛げるが、構造からなのか少々圧迫感を感じたりもした。温泉の質はあえて述べないが、浴室施設の広さなど道後では屈指の規模じゃないかな。色んな造りの浴槽を24時間入浴可能だったのでのんびりと浸れ温泉情緒を満喫できた。食事は客室で戴いたが「風土」「風味」「風景」の3風を基本とした懐石料理だが、瀬戸内の幸と地の素材を生かした巧みな創りが器にも映えて質、量、味、とも申し分のない内容で誠に美味であった。私的にではあるが、おそらく冷凍物は使ってないと感じた。道後は完璧な「湯質」を求めるなら不向き来ない方がいいだろう。リーズナブルな宿泊料金の宿も数多く道後本館、湯街を含め「温泉旅館」を満喫するなら最適、旅情と雰囲気ありで気軽に楽しめる。この宿の評価として宿泊料金はそう安くはなかったが、内容的に充分満足できた道後屈指の老舗宿である。
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