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投稿日:2017年11月27日
埼玉の秘湯 (千鹿谷鉱泉旅館(閉館しました))
きくりんさん [入浴日: 2017年5月10日 / 2時間以内]
33.0点
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44.0点
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33.0点
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秩父七湯の1つである「千鹿谷の湯」を引く、寛政10年(1798年)に開業した鄙びた鉱泉旅館。平日の午後、日帰り入浴してみました。
秩父市上吉田に通じる、県道71号線沿いにある今井菓子店。この脇に立つ錆びた宿の看板を目印に曲がり、すれ違いのできない林道を車で走ること約2km。野鳥の鳴き声が響き渡る山間に、ひっそりと佇んでいます。
駐車場は、宿の前に2台分。玄関の引戸を開け、ごめん下さいと声をかけてみましたが、誰もいない様子。上がり口に、「留守にしています」「御入浴の御利用できます」等が書かれた紙と、入浴者台帳が置かれています。よく見ると「御入浴24時間」と書かれていて、ちょっとビックリ。都会のスパ銭ならともかく、山あいの寂しい一軒宿で24時間日帰り入浴出来るなんて、聞いたことがありません。夜に一人で初めて来たら怖そうだなぁと思いつつ、台帳に記入して(前の人は、3日前の日付だった)、入浴料700円を左側の料金箱へ入れます。
玄関から、少し奥に、男女別の浴室。男湯(ドアに手書き)は、左側です。棚にプラ籠が並ぶ脱衣場には、ドライヤーなし。狭いが、よく整理されています。浴室に入ると、1人分のプッシュ式カランがある洗い場。アメニティは、家庭用のものです。
左側に、2人サイズのタイル張り内湯。蓋がしてあるのでどかしてみると(出る時は元通りに)、うっすら濁った鉱泉(源泉名: 千鹿谷鉱泉)が満ちています。泉温13.4℃を、42℃強位に加温。PH9.2で、肌がツルツルする浴感です。加水なし、おそらく循環ありですが、消毒臭はしません。湯口の湯を口に含むと、微硫化水素臭がして弱甘味。ずっと貸切状態でまったりしていたら、よく温まりました。
小さな内湯が1つしかないわりには、若干高めと思われる料金設定。江戸時代から続く、自然湧出の鉱泉という希少価値でしょうか。ともあれ、埼玉にもこんな所があったのかと驚嘆させられる、秘湯ファンに訪れて欲しい湯宿ではあります。
主な成分: ナトリウムイオン125.7mg、カルシウムイオン0.934mg、第一鉄イオン0.140mg、
塩素イオン6.645mg、弗素イオン0.81mg、硫酸イオン58.41mg、ヒドロ炭酸イオン180.5mg、炭酸イオン18.69mg、水硫イオン0.860mg、水酸イオン0.269mg、
ヒドロケイ酸イオン4.015mg、ケイ酸イオン0.911mg、メタケイ酸12.81mg、遊離炭酸0.302mg、遊離硫化水素0.007mg、成分総計410.3mg
※なお、昭和51年の分析書なので参考までに。23人が参考にしています
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