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高野山に現在52あるという宿坊の中でも最大であり、また唯一温泉に入れる宿坊。そして、昭和を代表する作庭家、重森三玲が残した3つの見事な庭園を持つ宿坊としても知られています。平日に、一泊二食付で利用して来ました。
この日は、2階の6畳和室に宿泊。宿坊といっても、旅館と同じです。ただし、トイレは部屋に付いてないし、外鍵もありません。窓からは、見事な石庭「遊仙庭」を見下ろす眺めです。
夕食は、部屋で地物野菜にこだわった精進料理に舌鼓。お品書きはありませんが、3つのお膳で運ばれてきます。驚いたのは、お酒が飲めること。抹茶塩で頂く野菜の天婦羅や、汁物は熱々で供され、胡麻豆腐や山芋の煮物等の盛合せ皿、煮〆皿もあっさりとした味付けで美味。般若湯(日本酒)がすすみます。湯葉の梅肉掛けや酢物皿で口の中をさっぱりとした後、豆乳鍋で温まります。薬膳豆腐のお椀、お浸しの小鉢も付いて、自分には十分な量でした。
食後は一休みして、就寝前に温泉へ。玄関方面からですと、中央大ロビーを抜け、大新造の向こう側の「右の廊下」を、石庭「登仙庭」を眺めながら進み、突き当たりの階段を上がった2階。男湯は「桃源の湯」(女湯は1階の「天女の湯」)です。棚だけの脱衣場ですが、ドライヤーあり。浴室に入ると、正面と右側に7人分のシャワー付カランがある洗い場。アメニティは、リーブルアロエです。左側に6人サイズのタイル張り石枠内湯があり、無色透明の単純温泉(源泉名:高野山温泉)が満ちています。泉温28.7℃を、加温して42℃位で供給。肌がややスベスベする浴感です。ライオンの湯口から注がれ、口に含むも無味無臭。循環・消毒ありですが、塩素臭は気になりません。ジェット水流も付いています。
続いて、一度脱衣場へ戻って、別の扉から外の露天風呂へ。3つの高野槇造りの浴槽があり、湯温低下防止のためビニールシートで覆われています。まずは、手前に1人サイズの円形浴槽が2つ。いずれも、湯温は40℃位です。奥に2人サイズの浴槽があり、湯温はこちらも40℃位。囲まれていて景色は望めませんが、のんびり湯浴みを楽しめました。
翌朝は、6時から本堂で勤行。蝋燭の火と読経、お香の香りで清々しい朝を迎えます。ここから眺める石庭「愛染庭」も斬新なデザインで素晴らしかったです。
戻って、朝食も部屋で頂きます。湯豆腐豆乳鍋主菜で、とろろやガンモ、おから等といった体に優しいメニュー。チェックアウトは9時までと少し早めですが、ギリギリまで食後も温泉を満喫しました。
この日は、宿泊者のほとんどが外国人でびっくり。さすが、世界遺産の高野山ですね。ただし、標高が高いせいかこの時期でも気温が低く、宿坊と浴室の間の廊下も寒かった(部屋は暖房で快適)ので、冬場なら年配の方は特に寒さ対策も忘れずに。
主な成分: ナトリウムイオン7.9mg、マグネシウムイオン3.7mg、カルシウムイオン22.3mg、鉄(II)イオン0.2mg、フッ素イオン0.1mg、塩化物イオン3.2mg、硫化水素イオン0.6mg、硫酸イオン5.7mg、炭酸水素イオン91.7mg、メタケイ酸35.1mg、遊離二酸化炭素44.1mg、成分総計0.215g16人が参考にしています