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南会津の湯ノ花温泉地区は、これぞ日本の原風景ともいえる長閑な田園。その中央を流れる渓流沿いに石湯は静かに佇んでいる。
旅館末廣脇の坂道を下ったところにある湯ノ岐川に架かる小さな橋から見る石湯は感動もの。この風景、美しすぎる。
石湯に近づくにつれ、湯屋にめり込む岩がガマ蛙の背中のように見えてきた。見方によっては巨岩信仰のパワースポットであるかのようだ。
扉を開けると、コンクリートで固められた浴室にせいぜい2人用の簡素な浴槽が見えた。衝立の向こうには余り湯を溜めた浅くて細長い浴槽がある。見れば巨石の下と壁下の窪みから湯が流れ込んでいる。無色透明で香りは殆ど感じられないアル単の湯に浸かっていると、まさに明鏡止水の境地。
他のコメントにあるほど激熱ではなく43℃前後のやや熱め。壁を突き破る岩を見つめながらのんびり浸かっていると、壁の隙間から細い陽の光がゆっくり差し込んできた。14人が参考にしています