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以前の共同湯然とした旧施設からリニュアルされたが、リニュアル後も源泉かけ流しのままの良心的施設。リニュアル後の泉質悪化、即ち近代的施設に様変わりして循環装置が作動し、塩素が混入されて温泉が死んでしまうという悲劇とはここは無縁だ。湯量豊富だからなせる業かもしれないものの、泉質にこだわる姿勢は敬服に値する。そういう例が寧ろ少数派だから、その良心的姿勢を評価してし過ぎることはない。
内湯の大浴場と露天エリアの檜風呂及び名物の釜風呂に、源泉がかけ流されており、いずれの浴槽においても循環濾過・塩素消毒などとは無縁だ。高温泉であるため浴感はやや熱めだが、「こたついらずの温泉」と称されるだけあって冬場にはさぞ身体が温まることだろう。私は平日に利用したために、釜風呂を独占・堪能できた。
ナトリウム・カルシウムー硫酸塩高温泉の湯は、薄い緑褐色の色合いの濁り湯で、色彩だけなら円山川温泉に似ているが、やや個性は薄い。味覚も円山川ほどのえぐみなどはない。しかしながら、絶えず浴槽に注がれる源泉の新鮮さは特筆すべきで、源泉かけ流しを標榜するスーパー銭湯などは、浴槽のほんの一部に源泉かけ流しを採用しているのが大半であり、全浴槽に惜しげもなく源泉をかけ流しているこの施設は、温泉施設としては圧倒的に優れものであるといえる。
写真は内湯の大浴場である。どの浴槽に入浴しても、新鮮な湯を堪能できる。これが500円なら安いものだ。4人が参考にしています