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お亀の湯が休館日とも知らずに遠出し、急遽たかすみの里と相成った。曽爾高原方面からたかすみの里へ向かう経路は大型車ではは難所で、場所によっては対向車が来ると厄介なことのなる。とにかく奈良県の山奥は国道と言えど、とんでもなく狭隘な道路が多く、初心者は避けたほうが無難。加えて昼間でも暗い。
たかすみの里は木質の綺麗な建物で、受付の人も親切、待合場所も広く、一般受けしそうな施設。ただ、規模はさほど大きなものではない。スーパー銭湯などを想起すると裏切られる。まあ、規模の大きな温泉に碌なものはないのが相場で、このあたりが適正規模だろうが。
問題は内容で、内湯と露天に浴槽が各々一つ。内湯のほうがやや大きい。脱衣場から露天が眺めれれる造作は、上北山温泉薬師湯と同じ。規模もよく似たものだ。カランの数は七つ、シャンプーの類は常設されている。
露天風呂は、どこにでもよくある岩風呂形式になっており、山を眺めつつ入浴できる。かなり山奥に位置するのでさすがに山の香りは優れものだ。露天風呂の長所は自然の息吹に触れ得ることで、それがなければ単なる天井がない風呂というだけ。安直に露天風呂を造っても意味がない。
残念なことに、泉質は塩化物泉というものの、無色無臭、肌触りも特に白湯と異なる感覚も無し。何の個性もなく、カルキ臭のみ立派にしている循環湯に過ぎない。このような湯を有難がるわけにはゆかない。都会の銭湯においても、天然温泉の魅力を満喫できる施設が満載であるのに、こんな山奥にまで来て無個性な循環湯に浸かる哀しさを推して知るべし。山奥だから自然豊かで山の香りがするのは当たり前のこと、だから泉質が無個性でも高く評価するというわけにはゆかない。問題は源泉が良心的に利用されているか否かである。
奈良県の温泉施設は源泉かけ流しの施設が少ない。湧出量にもよるのだろうが、もう少し源泉を大事にしてもらえれば有難いと思う。現状では、川上村の山鳩湯や十津川村の温泉以外には興味が湧いてこない。0人が参考にしています