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四日市市内の小山田温泉記念病院に併設する温泉施設で、病院関係者のみならず一般客にも開放されている。むしろ交流ホームの温泉施設は一般の利用者向けと言った方がもよいかもしれない。
温泉施設自体は大規模な病院内にいくつも存在し、リハビリ等の治療に利用されているらしく、またお盆や小山田温泉祭りの期間には交流ホームとは別の露天風呂も一般開放されるらしい。どうせ入院するんならこんな病院に入院してみたいと思えるほど長閑な風情だ。小さな牧場まで併設され、山羊や羊が戯れるのを眺めることができるアニマルセラピー付きである。
交流ホームの温泉施設の規模は小さなものである。会館の入口で料金を支払い地下に下りたところに温泉施設はあり、脱衣場入口には飲泉できる飲用口まである。
浴室内には内湯に浴槽が一つ、露天エリアに岩風呂が一つある。内湯の浴槽は5~6人用、露天の浴槽は2~3人用だ。湯温は51.1度とやや高めであるため、外気に触れて若干温度が低くなる露天風呂が重宝する。内湯と露天風呂は大きなガラスで区切られているが、浴槽の下の部分はつながっており、事実上同じ浴槽である。内湯にふんだんに注がれた源泉がそのまま露天に流れ込み、そこからあふれ出るというわかりやすいかけ流し方式だ。事実、ここには姑息な循環装置などなく、加水せず・循環濾過せず・塩素消毒せずの純然たる源泉かけ流しなのである。毎分880リットルの豊富な湧出量を誇り、カランの湯まで源泉を利用した贅沢な温泉利用法を採用している。
源泉はアルカリ性単純泉であるものの、長島温泉系の湯に似た飴色に近い色合いで、若干の油臭がする。僅かな泡付きもあり、PH8.8だけあって、まことに肌触り良い湯なのである。湯上りの肌はすべすべになる。
病院に併設された施設であるため、恐らく地元の人にしか知られてはいまい。しかしながら温泉の実力はあなどれず、知る人ぞ知る隠れた名湯かもしれない。温泉そのものを堪能できる施設で、私のような温泉好きが好ましいと思う類の施設であるために、一般の旅行者がわざわざ足を運んでも満足できる類のものではないので念のため。しかし、泉質重視の方は行ってみて損はなかろうと思う。単純泉でも様々な個性があるものだ。
私が地元民なら年会費2000円を支払って会員になるところだ。会員になれば通常560円のところを360円で入浴できる。2人が参考にしています