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投稿日:2021年7月10日
トロッコ電車で行く秘境のポツンと一軒宿… (黒薙温泉旅館)
きくりんさん [入浴日: 2020年10月20日 / 1泊]
55.0点
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44.0点
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44.0点
トロッコ電車で行く秘境のポツンと一軒宿
黒部峡谷トロッコ電車の黒薙駅から、アップダウンのある山道を歩いて約20分。黒部川の支流である黒薙川沿いに佇む、慶応4年(1868年)に開湯した黒薙温泉の一軒宿。豊富な湯量(毎分2,000リットル)で知られ、この宿の他に宇奈月温泉の全施設に供給されています。平日に、一泊二食付で利用して来ました。
秘湯感漂う母屋でチェックインして、左手から館内へ。石段を下りた両側に客室が並びます。この日は、1階の川側6畳和室に宿泊。テレビなしトイレ共同ですが、窓から川のせせらぎと滝を間近に見る素晴らしい景色です。
浴衣に着替えて、早速混浴の大露天風呂「源泉(いずみ)」へ。宿の手前まで戻り、宿とは反対側に川沿いの道を上流へ。2つの銀色のテントが男女別の脱衣場で、中に入ると籠のみ。女性は、水着やタオル巻きも可。洗い場はなく、浸かるだけです。
30人サイズの岩風呂で、巨石を配し野趣満点。無色透明の単純温泉(源泉名: 黒薙温泉)が、かけ流しにされています。泉温98.3℃を加水して、42℃位で供給。肌がスベスベする浴感です。加温なし、循環・消毒もなし。湯口は浴槽内で、白や灰色の湯の花も舞っています。浸かると川は見えませんが、深山幽谷の大自然に囲まれてまったりできました。
続いて、時間があったので館内の内湯へ。客室から更に、木の階段を下りて行きます。棚とコインレス鍵付きロッカー並ぶ脱衣場には、ドライヤーも完備。浴室に入ると、手前と右側に3人分のシャワー付カラン(カランも温泉)がある洗い場。アメニティは、一般的なものです。
窓際に5人サイズの石造り内湯があり、かなりオーバーフロー。ここだけ加水なしの源泉かけ流しで、湯温は43℃位。湯口の湯を口に含むと、玉子臭がしてちょっとエグ味。窓から川のせせらぎと2本の滝の景色を眺めつつ、貸切状態でまったりできました。
湯上がりに、近くの湯呑み場で冷たい湯を飲むことも。飲泉用の分析書もありますよ。
夕食は17:30から、食堂で。西と東があり、この日は東で。お品書きは、壁のボードに掲示されます。岩魚の塩焼き主菜で、昆布締めの刺身は黒カジキとサーモン。煮物は、椎茸やガンモ・根曲り筍・山アザミ・昆布巻。小鉢は、コゴミの胡麻和えや大根と人参のなます。ウドの皮のきんぴらと蒲鉾の昆布巻き、舞茸・牛蒡・南瓜の天婦羅は揚げたてで。丼に岩魚が丸々一匹入った岩魚の骨酒がしみる。山菜は春に採れたものを塩漬けして、長期保存しているのだとか。豆腐とナメコの味噌汁と黒部産コシヒカリのご飯が嬉しい。山の宿なので量は少なめですが、山の幸に満足しました。
食後は、再び河原の露天風呂へ。20時までですが、湯気の向こうに満天の星空。川のせせらぎに包まれ、ずっと貸切状態でまったりできました。
翌朝は、女性専用の露天風呂「天女の湯」へ。朝6時から8時までは混浴露天風呂が女性専用となるため、その間だけ男湯になります。休憩室の左手から外へ出て、サンダルを履き替え階段を下ります。プラ籠だけ置かれたテントの脱衣場には、ドライヤーなし。
崖沿いに7人サイズの岩風呂があり、加水ありで湯温は42℃位。吊橋と川のせせらぎを眺める景色です。湯気が立ち込める中、特別な湯浴みを楽しめました。
朝食は、昨日と同じ食事処へ。カレイの一夜干主菜の和定食を頂きます。温泉湯豆腐や温泉玉子、ウドとシメジの煮物、フキの昆布煮、蕗の薹の油炒めもついて、山の恵みにご飯がすすみました。
トロッコ列車が来るチェックアウト前に、再び大露天風呂へ。朝の静けさの中で森に囲まれ至福の湯浴み。ちなみに露天風呂は撮影禁止ですが、誰もいない時間ならと宿の方に許可を得て撮影しました。
また、ついでに朝一番のトロッコ電車の時間を確認すると、時刻表に載っていない早く出発する便があるとのこと。関電の作業される方達が乗る電車なのですが、なんと宿泊者も乗れちゃいます。親切な宿の方に感謝しつつ、また訪れたい山奥の秘湯でした。
主な成分: リチウムイオン0.62mg、ナトリウムイオン148mg、アンモニウムイオン0.52mg、カルシウムイオン10.5mg、ストロンチウムイオン0.21mg、アルミニウムイオン0.11mg、フッ素イオン8.24mg、塩素イオン129mg、臭素イオン0.38mg、硫酸イオン33.2mg、炭酸水素イオン155mg、メタケイ酸水素イオン1.01mg、メタホウ酸イオン0.50mg、メタケイ酸39.8mg、メタホウ酸6.62mg、遊離二酸化炭素11.9mg、成分総計554mg21人が参考にしています