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緑色がかった掛け湯をタップリと浴びると、ふわ~んとした硫黄臭が鼻腔をくすぐります。人肌感覚の温めのお湯ですが、浴槽に浸かっている時よりも香りが立って最高でした♪
私は共同浴場を訪れる時は、大抵朝一番に行きます。それは地元の方がたくさん利用されるからで、その土地の方言とか仕種とかを身近に感じられ、非日常的な入浴が叶うからです。ここ有乳湯でもお年寄りから小さな子供まで、多くの方が続々とやって来ていました。
浴槽一杯に12~13人、地元の方に混じりながら過ごした時間は心安らぎました。田舎育ちの為か、こういう素朴な浴場で触れ合うことが最近富に好きになった様な気がします。
無色透明の湯はいつの間にか体中に微細なアワ付きがあり、撫でた時の感触はゆで玉子の薄皮を剥く様な感覚。ツルッとやさしく心地良い浴感で、つい長湯してしまう極上のまろやか硫黄泉です。
「子宝の湯」として知られ、湯治に訪れた山姥が坂田金時を産んだという伝説もあるようです。乳の少ない婦人は27日、子の無い婦人は37日で効果があるとのことですが、有乳湯(うちゆ)という名前と共に不思議な慈愛を受けているような気分に浸れます。
最初の掛け湯を上がり湯として浴びると、火照った体には冷たい掛け水に。ここでまたふわ~んと香りが強く放ち、ハッとさせられます。素晴らしい湯です♪
玄関下には赤い丸型ポストが印象的な足湯もあります。こちらも是非どうぞ。
凄く急な石段を上って行った薬師堂にある、子安地蔵尊にも御参りして来ました。この高台から見降ろす田沢温泉の集落はとてもひっそりとしていますが、統一感のある情緒が漂い一発で好きになってしまいました。11人が参考にしています