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図書館、保険福祉施設、パターゴルフ場などが併設する公営の複合地域施設「津市こととめの里一志」内にある温泉施設。大山田温泉さるびのに入浴後にお邪魔したところ、よく似た泉質のよく似た温泉利用法、三重県の長島や四日市方面には優れた温泉が湧出するためこちらはどうかと期待半分で赴いたところ、やはり公営の平凡な温泉施設だった。新しくできたモダンな建造物の公営温泉施設はかくも同じような温泉利用法を採るのかといささか残念ではある。これは三重県に限ったことではなく、どこも同じことなのであるが。
入浴料は550円とリーズナブルで、65歳以上の老人は350円と街の銭湯以下の料金で天然温泉に入浴できるのだから、地元の老人達にはまことに有難き施設であろうと思う。平日の夕刻にも高齢者の入浴客が大勢おられた。また、バスタオルとフェースタオルが無料レンタルだからかなりの太っ腹といえるだろう。ボディーシャンプーの類は備え付きだから手ぶらで利用できるのである。人気のあるのもうなずける。
浴槽は和風と洋風の男女日替わり利用となる。私の利用時は洋風浴槽であり、ここは内湯にかまぼこ型の主浴槽と冷泉風呂がある。比較的小振りなもので、都会のスーパー銭湯などとは比較にならない。主浴槽がジェットバスになっており、冷泉風呂はジャブジーだ。スチームサウナも併設されているが、これも小さなもの。
露天エリアは岩風呂形式で、こちらは広さに余裕がある。ベンチなども置かれゆっくりとくつろげる。また、飲泉場が設けられ、源泉を飲むことができる。あくまで飲泉場であるけれど、ここの湯だけが天然温泉の芳香に包まれる貴重なものであるため、浴槽の塩素入り循環湯ではなく、この湯を全身に浴びてみたい気分になる。
泉質はアルカリ性単純泉であるが、飲泉場の湯は存在感あるものであった。浴槽の湯は加熱・循環・塩素消毒の三点セットで天然温泉の実感というとph9.1が示すとおり若干のつるぬる感がある程度で、臭気は塩素臭のみ。はっきり申し上げて無個性な湯になっている。温泉に影響を及ぼす項目がきちんと情報開示されているところは良心的ではあるけれど。
レジャー目的で訪れるのであれば何の文句も出まい。安くて綺麗だし、他の様々な設備も揃っているから。ただ、泉質重視の温泉好きにとっては食指が動かない施設。見る影も無く源泉が加工されてしまい、魅力の大半は失せ、悲しいことだといわざるを得ない。1人が参考にしています