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十津川温泉郷の温泉地温泉には滝の湯と泉湯という二つの共同湯がある。規模は滝の湯の方が大きく、泉湯は地元の共同湯というにふさわしい規模。生憎滝の湯は木曜日が定休日であったため、泉湯に入浴してみた。168号線から十津川沿いに少々入ったところにあり、温泉地温泉では一番近い場所に位置する。村外の利用者は400円、村民は200円である。地元優先はやむを得まい。ただ、管理人の女性に聞いてみると、利用者は圧倒的に村外の人が多いらしい。もし私が地元民なら頻繁に利用するだろう。それだけ魅力のある温泉だ。
小さな内湯と露天風呂がひとつづつ設置されている。設備は比較的新しく清潔感があり、素朴極まりない共同湯とい雰囲気ではなく、小奇麗な施設といってよい。部外者が入浴しても違和感が全くない。
温泉地温泉は硫黄泉であり、ここでも素晴らしいかけ流しの硫黄泉を味わえる。湧出源泉は二つあり、1号泉と2号泉のブレンドということになるが、湧出温度が50度台で高いために冷却用に加水している他は全くの自然そのままの温泉利用である。源泉率80%は立派なもの。芳しい硫黄の臭いにつつまれ感激であった。露天風呂からは十津川を望むことができる。ただ、さほどの開放感はない。ここでは泉質を味わうべきだろう。
温泉情報の自主開示がなされ、きちんと表示されているのにも好感を抱いた。単純硫黄泉で源泉率80%、加温なし、源泉かけ流し、殺菌なし、換水は毎日など、具体的に表示され、実にわかりやすい。このように具体的に表示できるのは自信の表れだろう。それだけこの十津川村の温泉には内容があるということ。浮世の憂さを解消できる自然と優れた温泉がある。7人が参考にしています