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修善寺温泉といえば歴史ある温泉地。さぞかしいい温泉が湧いているのだろうと思っていたがそれは大いなる誤解であった。それは町並みに関しても然り。超高級旅館が軒を連ねる町並みを想像していたが、実際は相当に寂れている。肝心の湯に関しては長年にわたり乱掘を繰り返した結果、湯量・泉質の低下を招き、今では修善寺は例外なくどの宿も町で集中管理された供給温泉を使用するに至っている。しかも、集中管理の仕方は放流式ではなく循環式なので、その点でも泉質に疑問符が付く。おまけに泉質は何の特徴もないアルカリ性単純泉なので、率直に言ってただのお湯を思わせる湯である。以上のような有様でありながら、ここ修善寺は1泊4,5万以上する湯宿が点在する。実際様子をうかがった感じでは、巷の噂に反してどの高級旅館もガラガラといった感じだった。仲居さんや支配人が入り口に立って日帰りの客引きにいそしんでいる姿もちらほら見かけた。正直言ってよほどの温泉オタク(というか旅館オタク)以外は宿泊する気にならないのではなかろうか。ここ湯の郷村も日帰り温泉施設でありながら、実はれっきとした旅館、「いすゞ別館」に併設された建物であり、この宿の内湯も兼ねているということである。そして地方の日帰り温泉としては例を見ない強気の料金、1時間700円(ロッカー代も含めれば800円)である。これらの条件を勘案すれば自ずから期待してしまうというものだが、実際入館してガッカリ・・。パンフに「バイブラバス」の文字が躍っていたので嫌な予感もしていたのだが、大浴場は循環風呂。他の方も書かれているように塩素臭あり。露天は泡風呂がない分心なしか塩素臭が薄いような気もしたが、いずれにしてもここも循環&塩素消毒。ただし露天はわずかに供給源泉を一部加えてはいる。これだけだったら間違いなく1点だろうが、特筆すべきは飲泉コーナーがあることであろう。これがあることが救いである。とは言っても、循環式集中管理の源泉を本当に飲泉できるのだろうかという不安が頭をよぎりながらの飲泉だが・・。
修善寺の町が観光客に対して正直に温泉の集中管理の事実を明らかにしてパンフにまで載せていることは大いに評価すべきことであると思う。この点、金儲け主義の箱根や湯河原とは大違いである。しかしやはり実際問題として日帰り施設などの湯質をなんとか向上させなければ観光客の足が遠のくのも仕方ないのではなかろうか。0人が参考にしています