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白浜温泉から車で赴いたところ、国道42号線を左折して日置川沿いに20分程度走行し、数箇所の集落を抜けたところにひっそりと在る。優れたロケーションだ。途中ご丁寧に「えびね温泉まであと5分」などの標示がなされ、安心感を呼び覚ますが、数分走っても「あと4分」さらに数分走って「あと3分」、どこまで走らせるつもりかと自問しながらさらに走ると「あと200m」との標示が・・・200mではなく1kmほど走ってようやく到着、倒れそうになる。
都会とは時間と距離の感覚が全然違う。おおらかで腹も立たない。
えびね温泉のえびねは蘭の名称、花を愛でるオーナー氏のこだわりか、花を飾った回廊を浴室まで歩いてゆくことになる。玄関にも四季の花が綺麗に咲いている。
脱衣場や浴室は、大きなものではない。浴室には中央に13角形の不思議な形状の浴槽がひとつ鎮座するのみ。硫黄泉ゆえ、ほのかな硫化水素臭が鼻をつく。塩素臭など一切しない。ここは源泉かけ流しが自慢の湯だ。また、余計な露天風呂など造ったりしないところが良心的で良い。最近リニュアルされたらしいが、温泉を実に見事に使いきっている姿勢に感銘を受けた。無色の清明な湯で、100%源泉、加水もされていない。ここでは浴槽のみならず、カラン、シャワーすべてが温泉の湯なのである。脱衣場の水まで温泉水であることにも驚いた。湯量豊富なのである。
ガラス張りの浴室からは日置川を眺めることができる。椅子もひとつ置いてあったので、火照った身体を冷ますべく、椅子に座って日置川の清流を眺めた。ただ、ガラスは開けることかなわず、少々浴室内は暑い。
質素ではあるが、食堂と休憩所があり、昼食を兼ねて利用した。無料休憩所が設置されているのも良心的。ここからも日置川の清流を眺めることができる。水が出されて飲んでみると、やはりここでも温泉水、料理やコーヒーにも利用されている様子。ここの温泉でコーヒーをたてると美味しいらしく、トラックで温泉を購入している人達がいた。10リットル100円。少量なら無料で、私もペットボトルで持ち帰った。
浮世を離れ、のんびりするには最高の温泉、泉質・ロケも優れもの。普段ストレスで食欲不振気味の私も、ここではやたら食欲が旺盛になった。温泉と自然が癒しを与えてくれる。お勧めの温泉である。3人が参考にしています