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私は、温泉のはしごなどほとんどしない。よって入浴料、高速代、ガソリン代を考えれば、一回の入湯で1万円を超えることもしばしばである。効率が悪いと言えば悪いが、効率を考えて温泉をはじごするのもいかがか、とも思う。だが今回は、同じ場所に梶原の湯と墨の湯があったため、またの機会を待ちきれずはしごすることとした。
受付で料金を支払うと、「貴重品を預かりますが、ありませんか?」。それではと、車のキーを預けて1階へ。最初に墨の湯に向かった。先客は二人であった。その浴室には墨の湯のほかに鹿の湯がある。先客は二人とも墨の湯に入っていたため、私はまず鹿の湯に入った。これは白緑の硫化水素泉系の湯だ。42度位だが、怖いくらい濃厚だ。お隣の弘法の湯にも負けないぐらいで、油断して長湯でもしたら大変なことになりそうだ。
一人があがったため、墨の湯に入った。確かに墨汁を水に溶かしたような感じだ。だが底に沈めた足は見える。浴感は軽い。41度位か。物珍しいが、特に良い泉質というわけではないと思う。飲泉したが、非常に軽い塩味とかすかな金属的渋みと硫黄分を感じた。温泉では、稀な美味しさと言える。
鹿の湯も飲もうとしたが、あまりの苦さにすぐに吐き出した。
御所の湯は、灰色で41度位。湯口以外の所から、真っ黒いお湯が染み出していて、湯船の表面に流紋を描いている。
露天風呂は、御所の湯の外にあり、お湯は白緑の濁り湯で40度位。眺めが良く開放感がある。紅葉には少し早い。
帰り際、受付の女性に御所の湯の黒いお湯について聞いたところ、古い施設のため、墨の湯の源泉が漏れて染み出してきているとのことであった。7人が参考にしています