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大出館は「ふだん着の温泉」で若女将の奮闘ぶりを紹介していた旅館だ。「温泉博士」利用。ロビーにはチェックアウトのばあさまたちが大勢。
ここにはにごり湯のほかに墨の湯という珍しいお湯があって、いわゆる黒湯とは全然違う本当に墨汁のような色をしているらしい。ただし混浴。女性専用時間は日帰り時間帯では2時からの1時間のみ。誰もいなかったのでダンナとふたりで入ってみた。浴室に入ると墨の湯の浴槽と白いにごり湯の浴槽がL字型に並んでいる。真っ黒ではなかったけど濁った黒色のお湯で硫黄臭と鉄の匂い。浴感はわりとマイルドで湯温もぬるめ。でも底の方に湯泥といっしょに髪の毛も沈んでいる。たまに浮かんでくるのが興ざめ。一方の白濁のお湯(御所の湯)は高温。交互に入った。
しばらくすると、人が脱衣所に入ってきた。男女3人の比較的若い人たち。「すいません」と真っ先に女性が入ってきた。すごく自然だったのでこちらも気にならない。そのあとすぐ男性2人も。昔ながらの混浴スタイルです。
ここの温泉はほかにも女性専用風呂とか混浴の露天とか家族風呂とかいろいろあるので、いったん着替えて私は女性風呂、ダンナはもうひとつの混浴の風呂へ。女性用の風呂は内湯と露天。この旅館は元湯の3軒の旅館の中で1軒だけ少し高い所にあるので露天からの眺めがいい。せせらぎと色づいた木々や山を見ながら湯浴みできる。お湯は白濁の硫黄泉。
先客のおばさんとお話。昔は田植えが終わるとみんなここに湯治に来たとか。道路が通ってない頃は米を担いで山を越えて来たそうだ。それと、ごく最近ここの家族風呂が白と黒が混ざった色になったと言っていた。後で覗いたら本当にグレーのお湯になっていた。混ぜてるのか混ざっちゃったのかはわからない。風呂から上がってダンナを待っていると、さっきの3人組が裸にタオルで墨の湯から出てきて混浴の露天の方に走っていった。わずかな間なのでいちいち着替えるのは面倒だしね。なんだかここはそういう開けっ広げな雰囲気です。9人が参考にしています