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塩原の奥にあり、熊が出そうな深い山の所に3件の旅館があります。大出館は最奥の高台。新緑や紅葉の時期はさぞかし目を洗う風景でしょう。温泉雑誌では元泉館がよくでてますが、“黒湯”にひかれて、ここに昨年6月宿泊しました。建物は今風ですが、湯治場の雰囲気でしょうか。旦那さん、おばあちゃんらのアットホームな雰囲気が、いい感じでしたねぇ。ただ、奥日光や那須のリゾートホテル感覚で行くと幻滅を覚えるやもしれませんねぇ。源泉掛け流しの話をすると、旦那さんが建物の裏手にある【自然湧出!!!!!の硫黄源泉】を見せてくれました。“自然湧出自家源泉”旦那さんの、温泉に対する熱心な話しぶりから、ここはまず掛け流しと思いますよ。塩原にこういう温泉があったとは!
さて、温泉ですが、黒湯は全国でも稀で、コーヒー色の温泉(茨城・鉾田など)とは違い、墨を溶かしたような温泉(黒い湯ノ花)です。タオルは色がつき、黒湯から出てすぐ着替えるときは、よく流さないと下着が黒くなります。混浴なので女性は度胸決めて、どうぞおはいりくださいね。二日とも晴天でしたが、内湯は灰色に濁り、高台にあり眺めのいい露天風呂はなんと緑乳白色に濁ってました!喜連川・早乙女温泉の夕方以降の色に似てなくもないですねぇ。欠点は男湯は旅館の窓から出入りの際に見えてしまうのが気にはなりますが・・・女湯の方はまさかねぇ。まぁ、自然の中ではそんなこと気にしない気にしない!
ところで目に付いたというべきか、体験したというべきか、どうしても硫黄の影響でボイラーがやられてしまうため、シャワーの出が極端に悪く、一部使えませんでした。これはどうにかならんのでしょうか。大規模旅館とは違うので経営上むずかしいのでしょうが・・・頭を洗いたいときに不便です。温泉通なら上がり湯は使わなければいいわけですが、一般の方だとマイナス点になるでしょうねぇ。それと斜面に建物があるため駐車場が狭く、遅い到着だと若干ですが歩きます。といってもたいした距離でもないですが。
なんだかんだいっても実にいいお湯ですね、白色の硫黄泉は火山の近くなら結構ありますが、こういう緑白濁り湯、灰色、そして黒湯はそうそうありません。湯治場という意識で行けば、納得のいい温泉を楽しめるでしょう!私のお気に入りの温泉です。0人が参考にしています