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塩原というと湯の香ライン(国道400号)沿いの温泉街を連想してしまうが、本来塩原温泉の元祖はその名のとおり元湯温泉。元湯千件といわれ、最盛期は100件近くの旅籠があり、旅人や湯治客で賑わったとのこと。江戸時代の大地震と山津波でほぼ壊滅状態になり、現在は大出館・元泉館・ゑびすやの僅か3件の極小温泉街になっています。街道沿いの湯場とは異なり、歓楽施設は勿論のこと商店も皆無の山奥モード全開の環境。往時の賑わいなど想像もできません、湯治にはもってこいの静けさ。元泉館は3件並んだ中間にあり、ゑびすやさんの隣奥に位置しています。建物は中規模のホテル系温泉旅館といった趣。
塩原の湯めぐり手形協賛店ですが、新湯温泉白樺荘で宿泊した折にもらった「温泉ポッピングチケット」を使い無料で入浴させていただいた。湯は館内に岩風呂風の邯鄲の湯と檜風呂の宝の湯がありますが、こちらは宿泊者専用とのこと。湯巡り手形やポッピングチケットで入浴できるのは、館内から渡り廊下で繋がっている離れの高尾の湯だけ。3源泉とも異なる湯で、完浴したい場合は宿泊するしかありませんが、高尾の湯も内湯と露天の二本立てで充分楽しめます。大人800円の料金設定は若干高い気もしますが、先述の手形を使えば400円ですの、お得感は高いです。
渡り廊下から離れの浴室棟に入ると男女共有の待合室風のスペースがあります。広々としていてとても綺麗な造り。内装工事をしたばかりなのかまだ新しく、床のフローリングもピカピカしています。脱衣所もコレまた広々として真新しい。清潔感も抜群で床もサラサラしていて気持ちよかったです。浴室に入ると10人サイズの内湯が鎮座しています。湯船の縁は天然木で化粧され、雰囲気も良くカーキがかった白濁の湯が溢れています。浴室もせせこましさがなく、洗い場と湯船の間にたっぷりとスペースがあって、浸かる人と洗う人の空間が全くかぶらないようになっています。洗い場にはシャンプー等の備品も完備。なかなか大盤振る舞いなゆとりの設計。
肝心の湯は濃厚な硫黄泉。硫黄臭もほんのりと甘みを感じます。湯温は投入口で体感43度、湯船内で41度の適温。当たりの良い湯ですが、なかなかの湯力ですぐに体がジンジンと温まり、汗が噴き出してきました。クールダウンをかねて今度は露天へ移動。内湯から裸のまま移動できる。湯船は5~6人サイズの石造りで、湯温は湯船で体感40度の温め。なんとなく後から付け足した感は否めませんが、目の前には渓谷が流れ素晴らしい景観が広がっていますので、長湯をするにはもってこいでしょう。姫方の露天は防犯上のためか囲いがあって折角の景色を存分に楽しむことはできないようですが、気分良く湯浴みできたとのこと(連れの談)。温泉ファンじゃなくても満足してもらえる施設ではないでしょうか。0人が参考にしています