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投稿日:2016年5月19日
油が浮いている (月岡温泉 浪花屋旅館(閉館しました))
sinさん [入浴日: 2016年5月18日 / 2時間以内]
55.0点
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月岡温泉と言えば、きついアブラ臭のするマニアックなお湯とのイメージがあって、訪ねるのに無意識のブレーキがかかっていたように思う。
当初「共同浴場美人の泉」に行こうかとも考えたのだが、お湯は循環との記載も見え、評価もそれほど高くは無かったので、源泉掛け流しがうたい文句のここ浪花屋旅館を選んだ。
旅館の前には、数台程度の駐車場及びスペースがある。玄関を入ろうとしたところ、脇のたばこ屋のガラス窓が開いて「入浴ですか」と声を掛けられた。「はい」と答えると、「料金はここで支払ってください。700円です。浴場は右奥です。」とのこと。
言われたとおり奥に進むと赤いのれんがあって、その中で男湯と女湯に分かれる。
浴室に入ると、強い硫化水素臭とアブラ臭を感じた。まさにアブラ臭である。重油ともコールタールともグリスともつかぬ、あるいはそれらが入り交じったとも思われるような匂いである。湯舟は二人ほどが入れる大きさで、お湯はブルー系の色を呈している。藍色とも違う。強いて言えば、ブルーブラックのインクを薄く水に溶かし込んだような色だ。湯温は43度強。細かな、褐色や焦げ茶色やベージュ色の湯花が舞っている。お湯のところどころには油が浮いている。成分が濃いなどの理由で膜を張るお湯は知っているが、油が浮いているお湯というのは覚えがない。
湯舟の縁の内側が、少し尖っていて痛い。お湯の表面に浮き出た成分が、付着し凝り固まったように見える。同じようなものが、お湯の溢れ出る所から排水口の間にも見受けられる。まるでコールタールが固まったような感じだ。
湯舟に入って間もなく汗が噴き出てきた。お湯の熱さのせいばかりではないようだ。分析書を見なくとも、このお湯の濃さは感じられる。五感が「長湯はするな」と教えている。後ろ髪を引かれる思いもしたが、私は10分ほどで浴室を出たのだった。16人が参考にしています
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