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投稿日:2016年9月10日
「幼稚園の庭に温泉が湧いた」と話題にな… (明日の湯温泉)
すぱ太郎さん [入浴日: 2016年9月3日 / 2時間以内]
33.0点
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44.0点
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「幼稚園の庭に温泉が湧いた」と話題になって20年余り、源泉名はその名も「養智の湯」。お湯の定評は聞いていて、R457を通るたびに様子を見に回るのでしたが、満杯の駐車場と、玄関先に腰掛け涼むおじさんを横目に、二の足を踏んでいたのです。
場所は泉区根白石のシンボル的なカントリーエレベータの少し西側、基盤整備された圃場を少し逸れた旧道沿いからちょっと奥まった所。早稲田桟敷湯を模したようなビピッドなレモンイエローの外観にしなければ、温泉施設と知れずに、農村の原風景に埋没してしまうのでしょう。
9月3日は晴れの気温29℃。人々が汗を流しに来るだろう少し前の4:30に臨みました。駐車場は6台止まっていて、3台には車中で涼んだり、メイク中のご婦人が。なるほど、中の状況が窺い知れます。引き戸を開けると、正面の受付に福々しいお婆さんが鎮座され「いらっしゃい」。挨拶されれば「こんにちわ」と思わず返す、距離感の近いアットホームな6畳ほどの空間です。入場券500円を渡すが、半券のモギリがない。ずいぶん前から回数券に替わったようです。
券売機脇の引き戸を開けるとすぐ4畳ほどの脱衣場。そこにロッカーや棚が設えられ、服の脱ぎ着は3人が精一杯でしょう。厚着になる冬場は大変だろうな。風呂から上がる時もタイミングが必要です。
浴室はほのかに硫黄・金気臭が立ち込め温泉らしさを醸している。一人先客がおられたが、体を洗っているうちに出られ、20分ほど独占状態を愉しめました。浴槽は意外と広く深い。写真では屈折効果で浅く見えたのです。容量は秋保共同や台ヶ森より大きいでしょう。お湯は薄塩みの40℃前後で、絶妙な湯加減です。源泉掛け流しは疑うべくもありません。メインの切れ込みから流れ出ている他、縁の御影石の部材と部材の間に細いスリットが設けられ、多方向に流れ出て、均等に新鮮な湯が張られる工夫です。浴槽の側面の三つの孔が見えるが、手を当てても吸いも吐きもしていない。自噴源泉が43℃ということで、寒冷期の加温用と判断できる。一つは吸い込み孔で、ガードの付いた2方向対面する孔が加温水を吐き出すのでしょう。外の生け垣の奥には加温ボイラ施設か、煙突と蓄油タンクが見えます。
独占状態はいつまでも続かず、一人、また一人と軽く会釈して入って来られ、あっという間に5人です。地元の方かと思いきや、会話内容から、パークタウン、住吉台の方でした。考えを巡らせば、秋保との分水嶺から温泉不毛の中山、川平方面も含み、訪客エリアは相当に広い。それと、一人当たり入湯時間が20〜30分とかなり回転が速い。長居は疎まれるというものの、露天なしサウナなしではそんなものなの? 貧乏性の太郎は隅っこに体育座りで涼みながら約1時間滞在して来ました。帰りも受付のお婆さんにお礼を言い、なんと清々しいことでしょう。お湯を借りに来たという感覚です。
余話
随所に貼ってある貼紙はカレンダーの裏紙で、お婆さんの手書きでしょうか。しつこく感じず、日本語が温かい。一つ笑えたのは、男湯にドライヤーはなく、女湯にのみコイン式があるようです。持ち込む人を想定してか、コンセントの所に「ドライヤーを使うとブレーカーが落ちるので受付に声がけを…」とあります。男女同時に使わないよう調整するのか、或いは自販機のコンセントでも抜くというのか。我が家もエアコンと電気ポットと電子レンジは同時に使えない。30Aや50Aに変更するのは簡単だが、基本料金がグンと上がるんですよね。共感(笑)。セコい話です。13人が参考にしています
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