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今から20年近く前から合計で7回泊まっています。いつも、2~3月に訪れていますが、五能線から眺める日本海は、さながら鉛色の緞帳が下りているステージに一筋の光線が差し込んでいるかのような姿を見せます。毎回、寒空の下で寒風にあおられながら、必死に浴衣のすそを押さえてやっと瓢箪型の露天風呂にたどり着きますが、黄金色のお湯に身をゆだねると、「あ、またここに来ることができた・・・」と、疲れがあふれるお湯と一緒に冬の日本海に運ばれていくように思えます。また、私は本館にしか泊まったことがないのですが、真夜中に聞こえる日本海の波音はことのほか孤独感と大自然のすさまじさを味あわせてくれます。宿泊が新館のみになってしまったのは、オールドファンにとってはいささか淋しいものですが、駅から温泉に向かう途中の、一気に大海原が広がる風景に出会う時の開放感だけは、これからも変わらないでほしいと思っています。
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