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震災後、3月の末に福島に旅行するのを習慣にし、いつも高湯温泉に一泊していたのだが、今年はいずれの旅館にも断られてしまった。しからばと福島市からの距離と泉質を勘案して岳温泉を選択し、一人旅を受け入れているここ「あだたらの宿 扇や」に宿を取った。岳温泉と言えば、平成11年に安達太良山に登った帰り、ロープウェイのレストハウスのようなところで温泉に入り、ただ熱かっただけの記憶がある。
旅館に到着すると、すぐに車のキーをスタッフに預ける。車は別の場所に移すようで、旅館で使うものは車に残さないほうが良い。私は、カメラを車に残してしまった。部屋は八畳余の簡素な造りだが、一人旅には十分であった。浴室には内湯1つ、露天風呂1つ。内湯は、15人ほどが入れる長方形の石造りの湯舟で、縁には木が張ってある。湯温は湯口付近で42度強、離れたところでは42度ほどであった。源泉は「元湯」で、鉄山直下のくろがね小屋付近から引いているph2.54の単純酸性泉である。浴感は、酸性泉にも係わらず柔らかなお湯と感じる。少し軽いとも感じる。温泉分析書では無色無臭になっているが、弱いが明らかに硫化水素臭がする。 遊離硫化水素を0.5mg含んでもいる。お湯が薄緑に見えるのは、底に沈んだパウダー状の湯の花のせいかもしれないが。
露天風呂は、写真では錆の付いた金属製のようにも見えるが木造りである。湯温は41度強から43度強、時間によって違っていた。
夕食は部屋でとる。美味しいがもう一品か二品有ってもいいように感じる。朝食は食堂での一部バイキング。こちらは十分であった。
震災後の原発事故の影響で、福島の温泉の利用者が減っているとの記事を読んだ記憶が有るが、このごろは利用者も増えているのかもしれない。ならば一人泊の私が断られてもそんなにがっかりすべきことでは無いと得心するが、さて来年はどこの温泉に泊まることになるものか。6人が参考にしています