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自炊部に1泊しました。古いだけじゃなくて、どことなく暗い感じのする旅館です。部屋には冷蔵庫、ガス台など付いていて、鍋や食器などもあります。
昔ながらの自炊部にはお客を入れてないようでしたが、廊下や手すりが黒光りしていて一見の価値はあります。名物の黒湯は玄関を入って廊下を少し行くと、ちょっとしたロビーのような空間があり、その左側から入っていきます。浴場に降りていく階段がありガラスの引き戸の黒湯が右に、その奥の正面が女湯です。黒湯は基本混浴なので、ダンナと別れてまずは女湯に。灰色っぽい粘土を溶かしたみたいな色。かなり熱かったけどかけ湯を何度もして身を沈めると、効きそうなお湯です。シャワーの温度が低すぎて洗髪に苦労しました。結局温泉で洗いましたが。
夜8時から9時半は黒湯が女性専用になります。3人ほど入っていました。色は思ったほど黒くなく、緑がかった濃いグレー。湯船の縁に頭を乗せて浴室内を見回すと、割と高めの天井。コンクリートの壁。もうひとつの脱衣所の戸。こちらの方が部屋によっては近い。温泉プールと呼ばれている不思議な湯船。ほんの少ししかお湯が入っていません。冬はやってないそうです。女湯とは仕切りがあるだけでお湯も一部流れています。どういうふうにお湯が混ざっているのかわかりません。独特の匂いに包まれ、独特の空間に身を置き、黒湯を堪能しました。
夜中にラムネ風呂にいきました。静まり返った廊下を歩いていると、宿の主人が出てきて「今なら誰もいないからいっしょに入ってもいいですよ」と言ってくれました。男性用のひょうたん風呂もあるのですが、泡立ちが全然違うのです。ラムネ風呂は大粒の泡が表面に浮いていて、熱かったけどすごく新鮮でいいお湯でした。
朝の宿の食事時間中、誰もいないので黒湯に2人で入りました。自炊だとこういう自由がききます。黒湯はきのうより全然よかった。泡付きもあり、ヌルスベでアブラ臭も強く、大きな湯の花も大量に舞っています。他にももみじ風呂という小さな貸切風呂がありましたが、もはや入っている時間はありませんでした。
東鳴子のディープな世界にちょっとだけ足を踏み込んだ感じ。また来なくては。
※写真は黒湯の入口 奥は女性風呂9人が参考にしています