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- 黒湯の高友旅館の口コミ 鳴子通信②
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5月12日土曜日午後4:30、イーダちゃんは東鳴子温泉の「高友旅館」を目指しておりました。賑やかな鳴子温泉駅前から下駄優先通りを西側にテクテク下り、市役所前のこけし電話BOXの写真を知人に写メールで送ったり、道中途中の西多賀旅館の緑湯に立ち寄りしたりしているあいだに時はすぎ、いつのまにか辺りには夕方の気配が濃くたちこめてまいりました。
豪奢な造りのホテル亀屋さんを行きすぎると、道は国道47号と合流し、江合川の流れが見えてきます。川の音、水のせせらぎを脇にしばし歩きます。じんわり旅情が身体に染みてくるようなゆったり感が、ちょっと良し。
2キロ程歩くと、旅館大沼さんがようやく見えてきて、その旅館の一群を抜けると東鳴子温泉のエリアです。うーむ、こちらの雰囲気は、鳴子温泉街とはたしかにちがいます。もっともっと田舎風。土曜なのに人気はなく、閑散とした淋しい町並み内、湯治のための町、というイメージがいちばんうがってますかねえ・・・。
瀟洒な造りの鳴子御殿駅を行き過ぎ、JR陸羽東線の鉄橋の下をくぐると・・・木々に囲まれた、いかにも昭和風の、木造の旅館が現れてきます。そこが、僕の今夜の宿の、高友旅館でありました。
さて、イーダちゃんの目当ては、こちらの宿の目玉の「黒湯」でありました。これ目当てにわざわざ温泉後進地帯の神奈川からやってきたんですから。宿帳を書いて、部屋に案内されるとすぐに、鬱蒼とした、いかにも昭和まるだしの、ほの暗いくねくね廊下を延々歩き、黒湯のガラス戸をがらりとやりますと、
わあ、モロ昭和じゃないですか。いいなあ。凄い。
やや薄暗い照明のしたに現れたのは、超クラッシックなかたちのひょうたん型の中型のお風呂。ここが噂の黒湯です。雰囲気だけでも凄いのに、更に凄いのは香り・・・うねるようなガソリン臭、というか濃い石油の香りが、硫黄の香りと複雑にまじりあって、湯舟のうえの空間をのたうっている感じです。
いかにも清潔風の、塩素消毒のいきわたったスパ温泉に慣れた方は、これ見たらひょっとしてのけぞるかもしれませんねえ。
それと対極の位置にあるのが、この黒湯でした。
威力はもう唖然呆然。掛け湯して入って十秒で、イーダちゃんはこの黒湯の虜になりました。このエグイ香り。それがいい感じに身体の底まで染みてくる感じなんです。重曹泉、鉄泉、炭酸泉、硫黄泉・・・こちらの温泉は全部これらの要素を含んでますからねえ。いやあ、マジ、効くんですわ。たなびく湯気、天井からぽたりと水滴が背中に落ちてきて・・・(^o^;>じんわあ、とイーダちゃんは自分が蝋燭みたいに溶けてなくなっちゃいそうな、なんとも不可思議な快楽にひたっておりました。こちら、魔力のあるお風呂といっても、いいかもしれない。
こちらの宿はいいなあ。もう全般的にボロボロの昭和なんですけどね、こちら高友旅館さん、宿のなかで湯巡りができるんですよ。家族風呂の透明なもみじ湯(とても熱ッ)、炭酸泉のひょうたん風呂、女性用のラムネ風呂・・・。
翌朝の4:30に黒湯で御一緒したおばあさんは、「ここのお湯につかるとね、リューマチが全然痛くなくなるの」と、いってられました。このおばあさん、やたら熱がる僕のために、御自分は熱湯好きのくせにわざわざ水をザブザブ入れてくださって・・・あのときはほんとに有難うございました。
よいお風呂ですよ、高友旅館(^.^;)
僕はもう気にいってしまった。
温泉が好きで好きで、もう普通のお風呂じゃ満足できない(X.X)なんてストーンズみたいなことをおっしゃる病膏肓に達した方々にはこちら、特にお奨めかも。うーむ、なり(^~^)4人が参考にしています