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「学園前や高の原を商圏にもつサービス業は大変だよ」と大学時代の友人に言われたことがあります。何でもせいぜいどこかの会社の雇われに過ぎないはずが、小金を持ち合わせているので、心が磨かれることなく鼻っ柱だけ伸びている天狗さんが多く、そんな方が「金を払えばお客様、多少の無茶でも言う事聞けよ」的な振る舞いがあるそうで、もちろんみんながみんなというわけではないですけども、「譲り合い」や「マナー」といった不文律など存在しない地域ということでした。とあるの口コミのサイトなんかで、投稿のルールを無視して、悪意なく積極的に「組織票」を投じて憚らない方がいたりしていまして、まあそんなところもプチブル新興住宅街の病理なのかなと思ったりしています。そんな灰色の町学園前にあるスーパー銭湯はさぞかし大変なんだろうなと思い訪問しました。
エントランスまわりはごちゃごちゃしていまして落ち着きがないです。カウンターのところまで食堂が出張ってきていまして、入り口からカウンターまでの動線にかかります。受付を済ませて二階に上がりますが、ここでもゲームコーナーとでもいうのでしょうか、カジノのでき損ないみたいなのが置いてありまして何だかなあと思うわけです。
そんなこんなで脱衣所に入りますが、ここは普通でした。以後は裸の世界に中原名人よろしく突入します。内湯は白湯ですが、そこは塩素ワールドでした。小さい浴槽がゴミゴミと詰め込まれていまして、癒しという点では何だか落ち着きません。サウナがあったりジャグジーがあったり、エステバスがあったりと色々あるんですが、スペースが狭いというのが正直な印象です。逆に露天風呂はゆったり目に作ってあります。庭園風にしつらえた中に岩風呂や寝風呂・そして壷湯なんかがあります。ここは三重は亀山からの運び湯らしく、確かにつるつる感はすごかったですが、塩素の臭いも強く、プール上がりの臭いがしてしまいます。このあたりは運び湯の宿命なのでしょうから、そんなに期待しないでよという意見もありましょう。ただ、このツルツル感はなかなかのもので、亀山の源泉に掛け流しでつかってみたいものだと思いました。
マナーの悪い客ですが、やっぱりいました。人間なら年のころ30代か40代と思わしき、ヒトとトドの中間生命体みたいなものが壷湯に入るやいなやぐっすり御就寝。もう一方の壷湯は頭が薄くなっている年配の方が目をつぶって、回りに「待ってるぞ」オーラを出す人が数人いるのを見ないふり。一応やまとの湯の側も、「壷湯は人気なので譲り合って…」と書いていますが、何せ灰色の町の住人ですから、強制力のない「マナー」や罰則のない「法律」なんかは無視なのでしょう。結局2時間ほど待ってようやくトドが目覚めて順番に入れるようになりましたが、平日の夕方でこれでは…トホホと思いましたね。
場所柄人気の施設だと思いますが、お湯が今一歩という感じでしたし、ゆっくりとできるのが露天に偏っているので雨の日は癒されないだろうなと思いながら、3時間以上にも渡る戦いの場を後にしたわけです。0人が参考にしています