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投稿日:2011年7月31日
加賀井温泉一陽館 (加賀井温泉一陽館)
paw_pawさん [入浴日: 2011年7月31日 / 2時間以内]
55.0点
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長野県松代地区にある日帰り専門施設です。温泉ファンのなかではかなり有名な施設です。松代温泉にあってこちらだけが加賀井温泉を名乗っておられ、歴史とこだわりを感じさせます。
施設は受付棟、休憩棟、内湯浴舎、露天エリアに大別され、その他立派な旅館棟も残っていますが、現在は使われいません。
こちらの施設は温泉もさることながら、ご主人がこれまた有名な存在で、初めて訪問すると必ず源泉や施設の説明をしてくれます。その内容に関してはお楽しみということで、ここでは詳しく触れませんが、自家源泉に対する情熱や誇りがひしひしと感じられる解説です。分からないことや聞いてみたいことがあれば遠慮せず質問してみると良いでしょう。少々ぶっきらぼうな印象をもたれるかもしれませんが、根はとても親切で優しいご主人です。湯守とは正にこちらのご主人のような方を言うのではないでしょうか。
さて肝心の温泉ですが、男女各一の内湯ゾーンと混浴露天ゾーンの二本構成。まずは内湯から。内湯は湯治場の共同湯を髣髴とさせる風情で湯情満点の佇まい。浴室というよりは浴舎という言葉がピッタリで毎度ウットリさせられます。6-7mはあろうかという縦長の湯船はピーナツバターのような析出物でコッテリとデコレートされ、含鉄のNa・Ca塩化物泉の王道を行く源泉であることが分かります。湯口付近で体感42度、浴槽端で41度弱の湯温となっており、縦長の浴槽ながら思ったほど温度差はありません。サラスベから弱キシへと変化する浴感で肌当たりも良好です。朝一番で訪問すると透明度のあるやや青み掛かった貝汁濁りの新鮮な湯が楽しめます。午後や夕方になると鉄の酸化により、所謂赤湯の状態になります。もちろんそれも悪くはありませんが、お勧めはやはり朝一です。私は時間のある時にはこの内湯にこもり、入っては上がり、上がっては入るを繰り返しながらじっくり時間をかけて至福の時を過ごします。最近は露天エリアへ滅多に行かなくなってしまいました。内湯だけでも充分満足できると思います。
続いて露天ですが、内湯からは一旦外へ出て10メートルくらい歩いて行かなければなりません。男性はだいたい裸で移動しています。ただし露天はタオル巻きや湯浴着の着用も可なので、女性でもあらかじめ内湯の脱衣所で着替えてしまえば問題なく利用できると思います。露天は二分割されており、向かって右側のほうが体感41度、左側が39度といったところ。左側のほうが酸化も早く赤錆色が濃くなっています。露天といっても景色や景観が楽しめるようなものではありませんが、開放感はあるでしょうか。
こちらの施設は湯治目的で来らる方がほとんどで、観光客やご近所の方が銭湯代わりに来られるという施設ではありません。源泉とじっくり向き合いたい方にお勧めしたい一湯です。
写真は上が午前中の早い時間に撮影した男湯の内湯、下は露天の温湯浴槽です。同じ源泉でも酸化度によってこんなに色が違います。露天の湯面にはCa質の油膜もできているのがわかるでしょうか。11人が参考にしています
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