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随分山奥にあるため、車でしかアクセスできないが、橿原や大和高田方面からは意外と便利だ。杉林を切り開いて造成したかのような場所にある。料金は800円、若干高い印象だが、大きな畳部屋の休憩場所も設置されており、食事処も安価、プールゾーンも併設されていることを考慮すると、いちがいに高いとは言えないだろう。
浴室は和(やわらぎ)、洋(あでやか)と命名された二種類のものがあり、週単位で男女が交代するシステム、もちろん両者の内容は若干異なる。
施設は円形で、入浴施設の間にバーデゾーンと呼ばれる天然温泉を利用したプールがあり、入浴施設がそれを挟む形になる。
私が利用したのは「和」の浴室。中央に円形のジャグジーが鎮座し、露天風呂とを隔てるのガラス面に沿って檜風呂、リラックスバス、打たせ湯がついた主浴槽、薬湯が並ぶ。それぞれ浴槽は小ぶりで、スーパー銭湯と比較すると、規模は小さなもの。サウナ、水風呂もあるが、サウナも5~6人入ればいっぱいになる小規模なものである。
露天エリアには横長の岩風呂が一つ、打たせ湯付きである。厳寒の折、湯けむりの中露天風呂に身を沈めるのはなかなか快適である。ただ、しっかり塩素臭のする循環の湯だが。
この温泉の泉質はアルカリ性単純泉で、ぬめり感のある結構なものである。体感的に好ましいと思われる湯なのだが、残念ながらすべて循環の湯である。センター系の施設ですべて源泉かけ流しは不可能であろうが、小さな浴槽でもよいから源泉かけ流し浴槽を一つ造ってもらえれば有難いのだが。源泉は良質と目されるので余計にそう思う。
複数の浴槽のなかでは、主浴槽が最もぬめり感が強いと実感した。竹筒から流れ込む打たせ湯形式になっている湯をすくうと、一層強いツルヌル感を覚え、源泉に近いものを感じた。この浴槽の湯は優れものだ。浴後、すこぶる身体が温まった。
春に、近くにある名物の又兵衛桜を見学したついでに入浴するのもよかろうが、さぞかし混雑するであろうと目される。こんな寒い季節でも結構多いのだから。1人が参考にしています