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喜至楼と言えば、かつては瀬見温泉の代表的存在であった。陸羽東線から大きな看板が見え、夕方にはすべての部屋に照明が灯され、温泉旅館の華やかさの象徴でもあった。数十年を経て、その喜至楼を日帰りで訪ねた。当時の華やかさは、疾うの昔に失っていることは承知していたが。
日帰り入浴の客は本館から入るが、一旦別館に寄って日帰り入浴であることを告げた方が良い。いきなり本館に行っても誰もいないし、明かりも点いていない。入浴料は500円。
日帰りで入浴できるのは、本館の男湯、岩風呂、混浴のローマ式千人風呂である。ローマ式千人風呂は、直径約5.5mの円形の湯舟で中央の柱から源泉と湯温調節の水が出ている。湯温は42度ほどであった。無色透明なお湯で、茶色の浮遊物は湯垢であろう。湯舟が大きいためか、お湯の張り替えはあまり行っていないようだ。湯舟や床の、タイルの剥落はそのままにしてある。岩風呂は、自然石をコンクリートに埋め込んだ3人サイズの湯舟である。湯温は43度強だが、お湯はローマ式千人風呂とは別物であった。鮮度が良く、石膏泉系の匂いし、キシキシする肌触りなどこれが本来の瀬見温泉のお湯なのだろう。男湯はタイル張りの3人サイズで、湯温は41度ほどだが、水を加え過ぎている感が否めない。源泉はどの浴室も同じで、ナトリウム、カルシウムー塩化物、硫酸塩泉である。泉質に派手さはないが、昔からの温泉だけあって泉質が良いことは間違いが無い。ただ、加水せずに66.1度の源泉温度を下げられないものかと残念に思った。
山形県には、温泉の出ない市町村は無いらしい。瀬見温泉のある最上町でも4か所もある。すなわち過当競争なのだ。しかも、町の東隣りには鳴子温泉郷がある。瀬見温泉の、昔日の繁栄など望むべくもないが、一軒でも多くの旅館が何とか残ってくれることを願うばかりである。11人が参考にしています