-
2月の3連休に、山形温泉ツアーの1泊目として宿泊しました。楽天トラベル「湯治&ビジネス、チョ~お手軽プラン朝食付」という、4,410円の格安プランです。(別途入湯税150円、暖房料630円、オプションで浴衣代210円必要)
東京駅前を11時過ぎに出発し、東北道~山形道~東北中央道経由で休憩しつつ17:40頃に到着しました。
かねてから温泉本や、JRから遠巻きに建物を見たことはありましたが、間近で見るのは初めてで、木造4階建ての本館は趣がある一方、荘厳な印象も受けました。
宿泊は別館での受付となるそうで、本館横にある湯前神社の先を山側に少し上った所にまわりました。別館は高台に建っており、石組みの階段を上って行きます。着雪防止の為、水がドバドバながれている中、建物に入りチェックインをしました。車の鍵は預けます。受付の先には宿の歴史を物語る資料(鉄道小荷物の荷札とか算盤など)や何故か考古学資料として矢じりや土器のかけらなどが展示されていて、その先を右に曲がると左手が厨房です。厨房の先で別館から本館への連絡階段があり、そちらを降りると廊下は、下り階段と直進とに別れ(下ると本館の入口になる)、廊下を突き当りまで行き右折すると今度は簡単な炊事場がありました。そこを左に折れるとすぐに突き当たり、右手の階段をあがった所が木造4階建て部分となります。この階段をあがってすぐの101号室が私の部屋でした。写真でよく見る1階の丸窓(ここが女性専用浴室)上の角部屋で、10畳に床の間がありました。障子や欄間(?)のデザインや床の間にある装飾(すりガラスと鯉などの彫刻がある木を組み合わせている)など細かい意匠が施され、古き良き時代を偲ばせます。障子を開けると片面は本館入口や温泉街が見え、もう一方は共同浴場や山々が見えました。3人分の浴衣をお願いしましたが、最初に来たのは浴衣本体だけ。帯を忘れて取りに戻ったものの、別の人が私の分だけ渡しに来ました。2人の帯と全員分の丹前が無い旨、説明し、ようやく全てが揃った頃には既に20分くらいかかっていました。丁度夕食時と重なり忙しかったのかも知れませんが、初めからセットで持ってくれば済む話だと思います。ま、ご愛嬌の範囲ですけど。
ようやく浴衣に着替え、オランダ風呂へ。名物のローマ式千人風呂は19時まで女性専用なのです。
オランダ風呂は別館の厨房の先にある階段を上った2階にありました。ひょうたんを縦に半分にしたような形の浴槽です。3人で入ってもゆったりとしていました。
その後は宴へ。地場スーパー「お~ばん」で買った細巻き寿司や鯉のカルシウム煮、地酒&地ワインを飲み食いしました。寝る前に、名物のローマ式千人風呂へ入浴。お湯は無色透明で湯温はかなり熱かったです。円形の浴槽、中央の柱、浴槽の腰掛けは、小さなタイルが敷き詰められ、レトロモダンな雰囲気を醸し出しています。確かに一部タイルが剥がれ、下地がむき出しになっている所が残念ではありますが、古代ローマ人(??)の男女もタイル絵で描かれ、相当コストがかかったことが伺えます。隅にある岩組みの風呂や円形の窓、そして脱衣所の彫刻(花咲か爺さんや金太郎など)も同様です。本館1階のロビーなども装飾が凝っていて非常に見応えがあります。
岩風呂や男女別の小判型風呂にも入りましたが、もうひとつの名物ふかし湯は18時~翌9時まで休みで持ち越しとし、床に就きました。結局翌日9時も蒸気が出ていませんでしたが。
雨は夜更け過ぎに雪に変わったようで(パクリ?)翌朝はうっすらと雪が積もっていました。ローマ風呂や向かいの共同浴場に入り朝食を別館のホールで頂きました。シャケ(鱒?)の塩焼きや煮物、漬物などにサラダに味噌汁、ご飯がつく極めてシンプルなものです。ご飯はやや軟らかめでしたが美味しかったです。ドリップ式のセルフコーヒーもありました。
食後も館内巡りを楽しみました。別館には家族風呂が4箇所あること。トイレの便器は「東洋陶器」時代のものであること、本館の4階には宿泊客は行けないことなどを確認しました。
全体の印象として、建物は古いものの清掃は行き届き、温泉や館内めぐりも楽しく、値段もお手頃で非常に満足度の高い宿でした。新庄の自動車教習所の合宿所になっていて、当日も教習生がいましたが、皆礼儀正しくおとなしかったので助かりました(こちらの方がウルサイ??)。
機会があればまた泊まりたいと思います。
ちなみに@niftyさん、喜至“桜”でなく喜至“楼”ですよ。10人が参考にしています