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湯原温泉郷のなかではマイナーな温泉にもかかわらず、温泉好事家には、最高の泉質を誇る垂涎の的だ。ここの幕湯こそが、天然温泉である。こんな湯を味わってしまうと、ますます都会のスーパー銭湯などからは足が遠のいてしまう。
山裾にへばりついて立ち並ぶ旅館、急な坂を登りながらアプローチするにつれ心は逸る。目的の真賀温泉館は規模の大きなものではない。大きなものでないから良いのである。
真賀温泉館に来たなら、幕湯に是非入るべきである。幕湯に入らずに帰るなどすれば、ここまで来た意味の八割方は無駄になるだろう。それほどここの幕湯の泉質は素晴らしい。そんな湯が僅か
250円、銭湯より安い。
岩盤をくりぬいて造られてある浴槽は、中央部分に大きな亀裂は走り、かなり深い浴槽となっている。浴槽のすぐ足下から源泉が豊富に湧き出しており、底に差された大きな竹筒を通って湯の表面に流れ出るように工夫されている。竹筒からうまい具合に源泉を飲用できるように工夫されているのがまことに有難い試みだ。湯は無味で、実にやわらかい。上質のミネラルウオーターを飲用しているような感覚。浴感もまことに結構なもので、重曹が多く含まれているヌルヌル湯ではないのだが、そのような湯が不自然に思われるほど、この湯は肌になじむ。深い底まで綺麗に見える透明感ある清明な湯に浸かると、時を忘れる。
浴槽は5人も入れば満員になりそうな小さなものだが、それだからこそ意味がある。たとえば大きな露天風呂などをこしらえて、ここの源泉を循環などして利用などするおぞましさを考えてみるがよい。確実に温泉を殺してしまう所業だ。幕湯は貴重な足下湧出温泉で、天然温泉かけ流しのなかでも、最高の贅沢を享受できるもので、そんな湯は、小さな混浴浴槽ひとつだけにする現在の方法を頑固に守ってゆくべきだと思う。浴室の窓は小さく、昼間でも薄暗い浴室内であるため、又、あまりにも肌触りの良好なアルカリ性単純泉の魅力に圧倒され、異性と一緒に入浴してもあまり気にならないもの。
混浴が嫌なら、男女別の浴槽か家族風呂を使えばよろしい。ただ、幕湯の泉質と比べればかなり劣ることを我慢せなばならない。それほど、足下湧出の湯は新鮮で素晴らしいものであるということだ。
湯原温泉郷のなかでは、泉質面で文句なしに最高である。9人が参考にしています