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(続きです)
その湯の使い方に関しては成分表では、加水あり、加温あり(源泉温度29.1℃から熱交換器システムによって加温40~42
℃)、循環濾過機方式を使用と、たぶんこの施設全体一律の表示内容となっていると思われます。脱衣所の入口の木製掲示
では「源泉100% 天然温泉、松阪熊野の郷は、敷地内に源泉を有する温泉施設です。その湯量は、1日約18万リットルと豊富
に湧出し源泉掛け流しはもちろん、全ての浴槽(水風呂除く)でフレッシュな温泉をお楽しみ頂けます。」と微妙な表現。
もしこの「源泉100%」と謳われた浴槽が、HPで言うように掛け流しであるとするならそれを示すこの浴槽の独立した書類を
提示すべきでしょう(さるびのなどにあったように)。
掛け流しでもいろいろな方法があり、底部から湧き出すようにすると空気に触れないで温泉が浴槽にたまるのでそういう方
式も利点があると言う話も聞いたことがあります。ですので、たとえ底面から湧き出ているからと言っても、これだけで循
環という判断はし難いでしょう。
またオーバーフローだけでは底面層の湯は滞留しやすく底面に排出口を設ける事によって新鮮な湯に変わっていきやすいの
で好まれる方式でもあり、これだけでの判断は出来難いことになります。
そんなことを考えていると???の状態になってきて、実際皆さんはどう思っているのだろうとよく来ていそうな方にお話
を聞きました。その方いわく「たぶん循環でしょ」とのお話。
疑念を持った状態では非常に気持ちが悪かったので、フロントでお話を聞きました。
まず源泉浴槽にも塩素は投入されているとのこと。これとて県条例などの縛りで例えば新規店などの場合塩素投入しないと
許可を出さないところも場合によっては(泉質等の問題で)あるので、塩素が投入されている=循環とは判断できません。
そこで、湯使いのことも聞きましたが、湯上部から流入しているものは新鮮な温泉、オーバーフローさせているものは廃棄
しているとのこと。でも浴槽底面の湧出口と排出口は一体何?それに関しても聞きましたが、応対に出られた方ではそこま
では判らず。そうなってくると話はそこまで。
聞き方に関してはもう少し大雑把な方が良かったかなと反省した上に、釈然としない気持ち悪さが残り。できれば先ほど言
ったような明確さ、一々聞かなくても安心して入れる温泉であってほしいと思います。
実際、湯の流れまで探る人間はそうそういないと思いますが、こうしたことを改めてフロントまで聞かなきゃいけないのは
いささか問題があります。前出の常連さんらしき方のように源泉100%の掛け流しであることに疑念をもたれている方がいら
っしゃるのも事実。多くの人に安心安全を提供する施設であろうとするなら本当にきっちりした情報提示をしたほうがいい
でしょうね。
ハードは素晴らしい、しかしそれは安心安全があってこそ。それはもっとも大切なことで、疑念があったり不安感があるな
らすべてが台無しになります。
循環であったとしても上部からは新鮮な源泉が流れているということが明確に示されている状態と、源泉100%の掛け流し温
泉として謡っているが本当なのか疑念を持って入らなければならない状態なら、私自身ははっきり言って前者を選びます。
今のままではハードの部分が本当にもったいないと言わざるを得ません。安心安全を提供するがどれほど大切なことかを今
一度再確認してください。せっかくこれだけの施設ですし、温泉という根本部分を明確にしてさらに上の段階へと進んでい
ただきたいと思います。
評価としては施設は非常によくこれで温泉がまぁまぁなら3点という所ですが、今回温泉の表示に不安感を覚えて疑念を持
った状態でしたのでこれは大きなマイナスポイントで1点。平均して総合計で2点扱いにさせていただきました。
源泉名 松阪温泉熊野の郷
ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉(低張性弱アルカリ性低温泉)
pH8.4、泉温29.4℃、湧出量120L/m(動力揚湯 水中ポンプ19.5kw)
1.3 X10-10Ci/kg(0.36M・E/kg)、
Na 407.5、K 2.60、NH4 0.20、Mg 2.90、Ca 33.60、Sr 0.70、Fe 0.30、
F 9.80、Cl 520.40、Br 1.90、I 0.50、SO4 0.50、HCO3 236.70、CO3 3.60、
メタケイ酸 31.30、メタホウ酸 51.60、CO2 2.00、
蒸発残留物 1.18g/kg、溶存物質 1.30g/kg、成分総計 1.31g/kg、
分析終了年月日 平成17年11月22日
加水あり、加温あり(29℃から熱交換器システムによって加温40~42℃)、循環濾過あり、塩素系薬剤使用。
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