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湯量豊富な長島温泉、日帰り施設のなかでも料金の高い「なばなの里」や「湯あみの島」などの観光客向けハイソな施設がある一方、「松ヶ島共同浴場」や「大島共同浴場」などのような低料金のジモ専施設がある。その中間に位置するのがこのオートレストラン長島だろう。料金もまさに中間領域で500円、ハイソを求めても情緒を求めても無駄なのである。ここは泉質のみで評価されるべき合理的入浴施設と言えよう。ごく日常に利用する銭湯に近い利用のされ方である。利用者はほぼ100%車だから、商圏のすこぶる広い銭湯とでも言おうか。
夏場に入ると露天エリアの樽風呂がやたらと熱く、三秒と我慢できない温度、隣の岩風呂が心地よい。内湯においても段差のついた高低温の浴槽があり、好みに応じて利用できるのが有難い。水風呂も付属しており、ここも天然温泉というのがさすがだ。ただしこの水風呂は、サウナの利用者が汗も流さずに飛び込む傾向があるため、汚れが残念ながら目立つ。
夏場は加水されて温泉が利用されており、10%~15%の加水状況であるらしい。給湯口に手を入れてみると、熱い源泉と水が混ぜ合わさっていることがわかり、ある意味単純に情報開示されている。
湯温を下げるために循環しつつ塩素を加える手法とどちらが好ましいかと問われれば、私は無駄に天然温泉を加工しない当施設の手法に軍配を上げる。湯量豊富さがもたらせる恩恵だろう。
長距離トラックの運転手を中心とした客層で、家族連れや観光客などほとんど見かけることがない。いつも空いており、気軽に天然温泉の恩恵に与ることができる。これが最大の利点だ。7人が参考にしています