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国道沿いの一見サービスエリアとおぼしき建物にある立ち寄り温泉施設で、事実、天然温泉のネオン表示はあるけれど、よく見なければ温泉施設であるとはとてもではないが認識できない。入口を入ると喧騒なゲームセンター、奥に小さなフロントがあり、券売機も置いてある。情緒のかけらもないが、気軽に立ち寄れるのが美点か。
施設は若干古い。脱衣ロッカーは100円リターン式で、脱衣場に両替機がないため小銭がないと一旦外の両替機まで行かなければならず、随分間抜けなことになるので注意のこと。私など一旦脱衣後、小銭がないことに気づいて再び衣服を着て外にでるという面倒な事態になった次第。
内湯は源泉が潤沢に注ぎ込まれた湯温の高い浴槽と、ぬるめの浴槽が二つ、水風呂もあり、ここも天然温泉の様子。ここでは全浴槽が天然温泉なのである。露天風呂も造られており、細長い岩風呂と2~3人入れる樽風呂がある。空いていたので樽風呂を独占できたが、これは快適だ。露天風呂の底には枯葉が沈んでいたりして管理の甘さも見られるけれど、なんと言ってもここは湯が絶品である。湯量豊富であるため、湯が潤沢にかけ流しされ、循環・塩素消毒などという姑息な方途は採用されていない。
単純泉ながらも、褐色透明の湯は天然温泉の香り豊富で、肌触り良好、つくづく長島温泉の実力を思い知る。ただ、松ヶ島共同浴場などの湯に比べると若干個性の薄さを感じる。使用している源泉井戸が異なるから当然といえるが。
石鹸・シャンプーの類は設置されておらず、設備は少々古く、一部管理の甘さも否定できない。しかし手付かずの湯をかけ流しし、温泉力で勝負できるこの施設に私は好感を抱いた。設備満載のスー銭より素朴な共同湯が温泉として上であるのと同じ。近所にほしい施設のひとつである。
利用者はトラックの運転手とおぼしき人が多い。駐車場には大量の長距離トラックが駐車していた。彼らにとっては実にもってありがたい施設であろうと思う。7人が参考にしています