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投稿日:2006年2月17日
昭和ノスタルジーと確かな温泉力 (ゴールデンランド木曽岬温泉【閉館しました】)
湯けむり天使さん [入浴日: - / - ]
44.0点
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源緑輪中の田園地帯のなかにぽつねんと在る温泉施設。その建物がまた、下手すれば廃墟と見間違うばかりの古ぼけたもの。昔のヘルスセンターの名残をそのまま残している。中にお邪魔すると、狸の置物や盆栽が置かれた横で券売機で入場券を購入、下駄箱は鍵無しである。恐ろしく古いゲーム機や、誰も買いそうもない土産品も並ぶ。
すさまじいのが舞台付きの巨大な広間、ここに老人達が思い思いの格好でくつろいでいる。下着姿のまま食事をする老人、それも料理を注文することなく自分で持参した弁当などを食らうご老人など、やりたい放題の姿に圧倒される。私が子供の頃よく見られたヘルスセンターがそのまま残されており。ある意味感動した。このまま民俗博物館として保存したいとの思いにかられる程の時間遡行を経験でき、めまいがしそうになる。
脱衣場も浴室もいささか古い。箕面スパーガーデンが50円の未返却のロッカーで噴飯物だが、こちらは100円未返却、貴重品を所有したまま脱衣籠に脱衣はしにくく、泣く泣く100円のロッカーを利用せざるを得ない。とほほな状態ではある。
ただ、ここの温泉は内容が優れる。浴室には大小二つの浴槽があり、双方に源泉が潤沢にかけ流され、激しくオーバーフロー、そのオーバーフローしている温泉を背に浴室にトドのように寝転ぶ老人が多数いるには驚いた。ご丁寧にも木枕まで用意してある。特に個性の強い湯ではないが、塩素消毒等とは無縁なのが良い。飲泉場まである。大きな浴槽の湯はやたら熱く、浸かってはいられないので、寝湯にしてしまうのが合理的か。ただ、温泉の流れていない床は清掃が行き届いていないためか生物膜が発生、やたら滑りやすくていけない。また、男女の仕切り板周辺には名古屋城の稚拙な模型が置かれ、笑いを誘う。洗練されたものとは一切無縁のどこまでもベタベタコテコテの温泉施設なのである。
特筆すべきは、ジャリ風呂、ジャリサウナと称される、温泉の中に砂利を敷き詰めた寝風呂で、これは快適だ。かなり熱くなるので寝込んでしまうのは危険だが、疲労時に横になるなどは最高の癒しになりそうである。近隣にこの施設があれば私など確実にリピーターになり、ジャリ風呂で寝転ぶことだろう。
近代的な設備は何一つ無いが、確かな温泉力を秘めている優れた施設、昭和42年頃の古い施設であるがゆえに、循環設備などとは無縁で、それがまた好ましいのだ。朽ち果てることなく今後も末永く営業して頂きたいと切に願う。私は充分に癒され満足できた。4人が参考にしています
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