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温泉街の一等地「湯畑」のまん前に立つ、歴史と風格のある純和風建築の佇まいは、いかにも草津の湯宿という構えに何とも風情がある。シンプルな中に和の趣きが随所に漂う館内は、清楚にまとめられている。通された客室は、2階の10畳程の間取り。細部にまで凝った造りの数奇屋風の室内からは、眼前に湯畑を見渡せ旅情をかきたててくれた。半地下にある温泉は内湯のみ。普段は露天派の私だが、ここ草津では内湯だけで十分だ。「白旗源泉」より引かれている掛け流しの湯が豊富に湯船に注がれる。かすかに緑がかったり白濁りへと湯色を目にするだけで心地よい気分になれる。当然「熱湯」かと思ってたのだが、少々熱くは感じたが、すんなりと入れた。酸の強い湯が私の肌を「ピリピリ」と刺激しつつ、のんびりと浸かる。シンプルながら総檜造りの浴槽や壁、床などと格子窓との調和が良く、かすかな硫黄臭にほのかな湯煙と湯の花などとが絡み、その中での入浴は格別なもの。いかにも大正ロマンとレトロな雰囲気が漂う温泉であり情緒満喫といった感じかな。(男湯の方が湯色は濃いかも)食事は朝夕個室処(テーブル席)で戴き、地の物、山の幸中心の内容である。特筆すべきものはないのたが、質、量、味付けなどバランス良く美味しく戴けた。浴衣で温泉街を散策、共同浴場へも至近、宿良しとこちらの宿へお世話になってよかった。好きな湯街を後にして加賀へと向かった。(06,9中旬宿泊)
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