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先週末1泊してきました。
4年ほど前に黒川を訪れた際に、立ち寄り湯で露天「天狗の湯」に入り、次回は宿泊したいとずっと思っていたのが叶いました。
雨が降ったりやんだりというあいにくのお天気でしたが、湯煙が綺麗に上がり、宿全体の雰囲気は増していたように思います。
泊まったのは「山ふじ」のお部屋でした。
チェックインは15:00とのことでしたが、13:00過ぎに到着してしまったので、着替えと荷物の預かりをお願いしたところ、「まだお風呂は貯まってないけど、よければお部屋に案内します」との親切な申し出を頂きました。おかげで、身軽な格好で湯めぐりをすることができました。
「山ふじ」は、いずれも渓流を望む内風呂と露天風呂を備えた、天井の高い、素敵なお部屋でした。また、ちょうど滝を見下ろす位置にテラスがあり、外に出ると緑とせせらぎの音に全身が包まれるかのようでした。
「天狗の湯」は仄かに硫黄の香りを感じる柔らかいお湯でした。嬉しいのは、奥に湧き水を使った水風呂があることです。お湯につかって火照った体を、刺すように冷たい水に浸すと全身が引き締まり、この上なく気持ちよかったです。
夕食は馬刺しから始まり、地の野菜、魚、肉と、本当に食べきれないほどのボリュームでした。常温で頂く小国の地酒『蓬莱』の純米酒も、水と米の美味しさがストレートに伝わる美味しいお酒でした。
食後、再び「天狗の湯」へ。
明かりを落として、清流の音を楽しみながらお湯を楽しんでいると、緑色の光が視界に入りました。ホタルです。夕食の際に「ホタルはいるんですか」と尋ねたところ、昨日5匹程舞うのを見たとのお話を聞いていたのですが、雨なので期待はしていませんでした。ここでは2匹しか確認できませんでしたが、光を灯したり、消したりを繰り返し舞うホタルを見ながらのお湯は幻想的で、日常の煩わしさが全く吹っ飛んでしまいました。
部屋に戻り、デッキに出て「天狗の湯」で汲んで来た温泉(消化器官や二日酔いに効くそうです)で米焼酎の「温泉割り」を楽しんでいると、ちょうど滝のところに枝を垂らした木にホタルが止まっているのに気が付きました。試しに部屋の電気を消してみると、目が慣れてくるにつれて5匹、10匹と次々と緑色の光が目に入ってきました。現実感がない程、心に染み入るような光景で、飽きもせず眺めているとあっという間に2時間が過ぎていました。
今回は色々と幸運に恵まれて、本当に素敵な滞在ができました。宿も決して洗練の極みというわけではありませんが、部屋やお風呂へのこだわりや、家庭的なおもてなしでとても大事にされているような気持ちになりました。今度は紅葉の季節に訪れたいと思います。両親も連れて行けたら最高の親孝行になるかなとも思いつつ。1人が参考にしています