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はっきり言って古い施設でカランとシャワーもたった1つきり、入浴に来る地元の方々達は湯に浸かる前にかけ湯だけ、誰もかれも身体を洗うのは湯から上がる前だけだった。便利快適を求める方々には絶対に奨められはしない湯である。
だが…。
湯、そのものは素晴らしい。
本当に本当に…素晴らしい。
確か30℃前後の冷たくて深めの源泉の浴槽に浸かる。
そして…
熱めの別の源泉の浴槽とに交互入浴を繰り返し浸かる。
最初は冷たく感じる源泉ではあるが体が次第に慣れ熱を帯びると、自分の口から真に気持が癒された時にしかでない溜め息とも安堵の声とも言える呟きが知らぬ間に漏れ出てしまう。
そんな湯なのだ。
最後に訪れた昨年の晩秋からは既に月日が立ち…きっと今時分は相当に冷え込みが厳しいのだろうと思う。
それでも許される時間があるならば…行きたい。
あの湯…あの湯に静かに浸かり安堵と癒された時こそ出る溜め息を呟きに行きたいと思い出す湯なのだ。7人が参考にしています