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神戸市長田区にある新しいスーパー銭湯。巨大なアグロガーデン内にあり、ホームセンターや飲食店などと同じ敷地に建設されている。後発だけにさすがに綺麗な建物だ。夜間に利用したためオレンジ色にライトアップされ、上品な雰囲気であった。オレンジ色のライトは屋内の照明にも利用されており、やや薄暗い照明で統一されている。西宮にある「熊野の郷」の雰囲気によく似ている。
フェイスタオル及びバスタオル付きで1100円という価格はやや高価に思われるが、手ぶらで来た場合はやむを得ないものの、タオル持参であれば850円で入浴できるので、目くじらを立てるほどのものではない。再入浴が可能であるということや、休憩所が広いなどの利点もあるのでまあ妥当というところ。
ここはやはり露天エリアの源泉風呂の魅力に尽きるだろう。岩風呂、檜風呂、壷湯の三種にナトリウムー塩化物温泉の源泉が注がれ、これが結構存在感ある湯なのである。加温のための循環を併用されているのであろうが、源泉の芳香を残した湯は阪神間や大阪湾岸付近によくみられる褐色の湯よりやや個性が強く、塩味と石油臭ともいうべき臭気と湯の花を堪能できる。臭気は大阪の温泉銭湯で例えるならば、天然温泉田辺よりむしろテルメ龍宮の湯に近い。
スーパー銭湯で源泉浴槽を造る場合でも、例えば壷湯だけがかけ流しであとはすべて循環・塩素消毒のまがい物であるような施設が多い中、ここは三種の浴槽すべてが湯質を下げることなく源泉が利用されていることに好感を抱く。源泉利用方法と源泉の泉質ともに合格点といえる。
露天エリアのどの浴槽にはいっても同じレベルの湯を愉しめる。壷湯も三つあり、常時塞がっている状態ではないし、源泉浴槽争奪戦が繰り広げられるほどでもなし、平日の夕刻であったためか、結構余裕があった。ただ、檜風呂には大型テレビが設置されているために常時誰か人が入っている状態。
地球に穴を開けて有限の化石海水を吸いまくり、その化石海水を循環させたうえに大量の塩素を混入させて、天然温泉と称して客を呼ぶ昨今のスーパー銭湯乱立を私は苦々しい思いで見ているけれど、このような源泉の利用の仕方なら、スーパー銭湯としては合格点といえるだろう。1人が参考にしています