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西郷南州の狩猟の時の宿と聞いていたが、まさに湯治場的な雰囲気たっぷりの、山中の一軒宿。今年の春、立ち寄り湯で行った。
温泉は3種類あった。最初に入ったのが桜湯。硫黄泉でいささか高温。あまり大きくはない湯船に、源泉がドバドバと掛け流されている。御影石だろうか、石の浴槽がいい雰囲気だった。
次に入ったのが泥湯の竹の湯。お湯が灰色をしていて、白いタオルはすぐに染まり、見るからに汚くなってしまう。ここの湯は季節によって湧出量が違うらしい。傷に効くらしいがぴりぴりするほど酸性が高い。肌の弱い人は大丈夫だろうかと心配になってくるほど。
最後に蒸し風呂。これは天然サウナといっていい。高温の源泉から出る蒸気を使った蒸し風呂である。狭くて暗い部屋に入らなければならないので、好みの問題がある。ここでたっぷりと汗を流した後、山から引いた冷たい水をかぶると身も心もきりっと引きしまる。
この宿の裏山に地獄があるが、至るところから蒸気や温泉が噴出していて、なかなかのもの。一見の価値はある。
いずれの湯も脱衣場に難点があった。特に竹の湯のほうは、余りいただけなかった。湯治専門だからかもしれないが、一考をお願いしたいもの。11人が参考にしています