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今年のGWに、山水荘さんの方に念願の再訪を果たしました。生憎のお天気だったので、他の施設は利用せず、こちらでゆっくりと過ごさせて頂きました。
2年ぶりのお風呂。床を大量のお湯が掛け流れていて、思わず目を細めてしまいます。最近山口のやさしい温泉を利用することが多かったので、主張の強いお湯は久しぶり。炭酸水素塩泉ながら、はっきりとした鉄臭のある竹の湯の湯船から掛かり湯をすると、体中の細胞がぱーっと目を覚ますような感じがしました。やっぱりガツンとしたお湯もいいですね。しばらく浸かった後、キズ湯へ。ぬるいけれど、体がポカポカと温まってきます。
そして夕食。メニューは2年前とほとんど変わりません。否定的なご意見も多いお食事ですが、ごんごん夫婦は、以前と同様、とても美味しいと思いました。ごんごん夫妻は、揃っていわゆる旅館飯が嫌いですし、るるぶ・じゃらん的なご当地物にもあんまり惹かれないので、ちょっとコアな味覚なのかもしれません。
夕食後、雨が小康状態になったので、宿の敷地をお散歩しました。雨のお陰で、新緑がいっそうよい香りを漂わせ、森の息吹が感じられます。どうしてもその空気を感じながらお風呂に入りたくなって、未湯だった露天風呂へ向かいました(画像)。
小雨の降る中、露天風呂は案の定無人。やはり鉄の香りがするお湯にゆっくりと身を沈め、新緑の香りがする清々しい空気を胸一杯に吸い込みます。聞こえてくるのはかじか蛙の声、湯の流れる音、天降川の川音…と時々飛行機の音(w(←飛行場が近いので仕方ないですね)。
土地で収穫した食べ物を頂き、地上に湧き出てきた湯に浸かり、森の力強い息吹を感じさせる空気で胸を満たすと、自然にとけ込んでしまうような、不思議な感じがしました。力強いお湯に入った時に感じる、自然の恵みに感謝する気持ちとはまた違う、自分自身が自然界の一部だと感じる不思議な感覚。こういった感覚を呼び覚ましてくれることこそが、この宿の魅力なんだとしみじみと確信しました。
帰りに、宿で販売していた「日本の秘湯 第16版」(日本秘湯を守る会発行)という本を購入しました。最初のページの「会員旅館一同」名義の文章を読んで、いで湯を守ること、自然環境を保護すること、そして地元で収穫されたものを供するということ、それぞれの選択をしながら宿を経営していくことが、いかに困難なことであるかがひしひしと伝わってきました。
おりはし旅館さんも、明治12年の創業から、色々悩みながら今日のスタイルになったのだと思います。一利用者としての勝手な願望ですが、一般受けを狙って安易な利便性や豪華さに走らず、自然の恵みを感じさせてくれる存在で居続けて頂ければな、と思います。来年も、絶対行きたいです!7人が参考にしています