-
投稿日:2008年9月4日
入り江の奥に佇む名湯 (勝浦温泉 脇ノ谷温泉(閉館しました))
湯けむり天使さん
[入浴日: - / 滞在時間: - ]
55.0点
-
0 - 点
-
0 - 点
-
0 - 点
-
0 - 点
勝浦の「天然温泉公衆浴場はまゆ」の手前にある橋を渡って左折、入り江に沿ってしばらく行くと、入り江の終点にひっそりと在る。極めて小振りな入浴施設であり、道すがら看板も何もないので、初めて探し出すには多少骨が折れるが、一度発見してしまえば決して迷う場所ではない。謙虚な場所に謙虚に佇んでおり、そんな温泉を見ると心和む。入り江の奥という場所自体が旅情を誘うもので、私がすこぶる好ましく思うシチュエーションだ。
一応駐車場も備わっており、狭い路地に位置するとは申せ、車で行くのも問題ない。
ここは「はまゆ」より確実にマイナーな存在。また、地元専用の共同湯に近い性質のもので、入浴料金も300円と良心的。浴室も浴槽も小さなもので、せいぜい3人も入ればいっぱいになる程度のポリ製の浴槽に、静かに源泉がかけ流されている。何はなくとも、良い湯だけは確かにあるといった構えだ。実に真っ当な温泉施設である。
湧出温度は41.5度だが、加温されておらず、浴槽内の湯は36~37度とおぼしき体感、無色透明でしっかりとした硫黄臭が漂い、弱いツルヌル感がある。湯はすこぶる良質で、ぬる湯ゆえに長湯が可能、当日は複数の温泉施設を回ったため長湯せずに上がったが、本来ならじっくりと浸かりたいところ。
毎分83リットルの湧出量に見合った温泉利用法で、すこぶる良心的と言える。非加熱・無加水・かけ流しで源泉の良さを体感できる。こんな湯に浸かると、温泉は何も加工しないものが一番良いというのを実感する。
受付のおじさんも気さくで親切なうえに話好き、南紀の温泉の特徴などを丁寧に教えて頂いた。泉質のみならず、風情・人情ともに好印象を抱いた次第。
南紀勝浦の日帰り温泉施設の中で、小さくともキラリと光る宝石である。1人が参考にしています